投稿日:2021/02/04

《小学校英語》「音あそび」をしよう! ー 特集始まります!

音あそびをしよう_ver1

小学校段階で、「音あそび」を通して「文字の音」への気づきを高めましょう

小学校「外国語」の「読むこと」「書くこと」で育成を目指す力

今年度、小学校学習指導要領(平成29年告示)が全面実施されました。それまでの高学年「外国語活動」では、英語の語句や表現を「聞くこと」「話すこと」を通した音声での慣れ親しみが重視されていましたが、これから高学年では、教科としての「外国語」において「読むこと」「書くこと」の領域も扱います。

中学年「外国語活動」では、/ei/(エイ)や /bi:/(ビー)など大文字と小文字のアルファベットの名前(名称)を聞いて、形を識別する(どれかが分かるようになる)活動が行われます。あくまでも「聞くこと」の活動として、です。
そして高学年「外国語」では、児童が個々のアルファベットを見て名前を発音できるようになり、さらに大文字と小文字を区別しながら、任意の文字を(単語や文レベルではありません!)書く力の育成も目指します。アルファベットの文字には「名前」と「音」がありますが、小学校学習指導要領(平成29年告示)で用いられているにおける文字の「読み方」とは「名前」のことを指します。そして小学校「外国語」の「読むこと」の領域で育成を目指す力として最も重要なのは、「個々のアルファベットの名前を発音する」という「読むこと」です。

その一方で、高学年外国語科の「読むこと」の領域の目標の1つに

イ  音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする

があります。

これは、音声で十分に慣れ親しんだ語を見て、イラストなどの視覚情報などを頼りにすれば、「何となく意味が分かる」状態を目指すということです。この状態は、それまで綴りが添えられた絵カードを見ながら発音したり、語句や表現を書き写したりする活動を通して、「何となく目にしてきた」語で、「何度も繰り返して聞いたり言ったりしてきた」語だからこそ起こりうるものです。決して「初めて見た語」を、綴りの知識に基づいて発音することを意図してはいません。

語の「はじめの音」への気づきがポイント

では、この「語を見て何となく意味が分かる」ためには、どのような力が必要なのでしょうか。
語の綴り全体のシルエットが印象として残っていたりすることももちろん助けにはなりますが、語の「はじめの文字」が表す「音」が何となく分かること・・・これがポイントです。

例えば、小学校では tennis という語の綴りだけを見て /ténɪs/ と発音できることを意図してはいません。tennis Let’s play tennis! などと記された掲示、パンフレット、絵本などには通常、それらが意味するものを表す写真やイラストなどの視覚情報があり、それらを見て児童が「もしかすると、この tennis /ténɪs/ で、テニスのことだ!」と気づくことを目指します。その際、単に tennis の綴りを視覚イメージとしてぼんやり記憶していたというのではなく、t という文字の音の読み方(発音)が分かっていれば、tennis の初めの文字 t を見て /t/ という音が浮かび、それが視覚情報とともに /ténɪs/ につながる助けになるということです。もちろん、それまでに児童がその語や表現に音声で十分に慣れ親しんでいることが前提です。

このことについては「小学校学習指導要領解説 外国語活動・外国語編」にも、「読むこと」の言語活動のうち、「(ウ)日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレットなどから,自分が必要とする情報を得る活動」および「(エ)音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を,絵本などの中から識別する活動」を行う際に、文字を識別し,語句の意味を捉えるために、文字の「音」の読み方が役立つと述べられています。

ここでさらに重要なのは、「いきなり綴りから入らないこと!」です。「この文字が表す音はこれです」と、文字と音の対応を一つ一つ知識として記憶していくのは、せめて聞いた語の発音を、個々の音に分解できるようになってからです。

そのため高学年「外国語」では、語の「はじめの音」が分かる、すなわち語の「はじめの音」を全体から取り出す力を高める活動が広く取り入れられています。取り出した音が「ある特定の文字」によって表されること、つまり「音には対応する文字があること」に気づけば、それが「綴り」や「語を発音する」力へとつながっていくのです。

小・中学校の外国語科における文字の扱いに関連して、小学校および中学校学習指導要領(平成29年告示)では、小学校で「音声と文字とを関連付けて」、さらに中学校では「発音と綴りとを関連付けて」指導することとされています。つまり小学校では、実際に「任意の語を綴る」力や、「(音声で慣れ親しみがなく初見の)語の綴りを見て発音する」力の育成を目指すわけではありません。後者は中学校「外国語」で育む力であり、これにつながる潜在的な力を、小学校では文字の音に対する「気づき」を活用して高めておくのです。

これから始まる特集では、文字の「音」への気づきを促すステップをご紹介していきます

いきなり文字から入らない!

英語の文字には「名前」(名称)に加えて「音」があることを児童に気づかせるには、どのような指導が可能でしょうか。

例えば、このような方法があります・・・。

児童が音声で十分に慣れ親しんだ語について、絵だけを見てそれが表すものを言えるようになっていれば、今度は綴りに意識を向けて「音」への気付きを促すことができます。例えば、ペンやペンギン、ピンク色の絵カードを見せながら、

pen, /p/, /p/, /p/, pen …
penguin, /p/, /p/, /p/, penguin
pink, /p/, /p/, /p/, pink

のように語の「はじめの音」(=初頭音)を取り出して発音します。そして初頭音を発音しながら、カードに記された綴りの最初の文字を指で囲んだり、文字カードを見せ、「/píː/ という名称の文字には /p/ という音もあるんだ。pen penguin pink も同じだ」と気づかせます。

ですが、いきなりこのステップに入るのは負荷が高いのです。
綴り、すなわち「文字の並び」を見ながら行う活動の前に、十分に英語の「語の発音」を聞き、その内部構造への意識を高めることが大切です。

いかがでしょうか。ぜひ小学校高学年で「外国語」の指導に携わっておられる先生方だけでなく、中学年「外国語活動」でアルファベットに慣れ親しむ活動を行っておられる先生方にお読みいただきたい特集です。

スモールステップで「音あそび」から始めます!

「《小学校英語》「音あそび」をしよう!」の特集では、実際に先生方に授業の中でお使いいただけるワークシートも用意しながら、「音への気づき」を促す指導ステップをご紹介していきます!

お楽しみに!

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