投稿日:2021/03/24

《小学校英語》「音あそび」をしよう!- STEP 7「日本語をアルファベットで表してみよう~ ローマ字④ 《書けるかな?》 ~」

音あそびをしよう_step7

◆STEP 7:これまでの「気付き」を生かしてローマ字を書く

ローマ字に関する STEP もこれが最後となりました。

ローマ字学習を通して「聞こえた英語の語を、より小さな音の単位(=音素)に区切ることができること」を学ぶ意義は、「日本語の仮名文字の音が、子音と母音の組み合わせから成り立つこと」を理解するだけではありません。この理解に基づいて、「英語には音素連結があり、また語末が子音で終わることが多い」、それゆえ「似ている語でも日本語とは発音が異なる」ことへの気付きにも繋がります。

この STEP 7 では、ローマ字学習で親しんできた子音と母音を使って、「聞こえた語を構成する音を書き取ってみる」活動を行います。英語では常に子音の後に母音が続くわけではないことを、体験的に学びます

◆指導のヒント

これまでの STEP では、ローマ字綴りを構成する「子音」に気付かせるために、「かめ(kame)→ あめ(ame)」のように「はじめの子音を削除すると、別の意味ある語になる」組み合わせの日本語の語を用いてきました。子どもたちの年齢によっては、導入に用いた語の意味がまだ難しいことがあったかもしれません。筆者のこれまでの経験では、小学校中学年以上であれば、最初の1つの行を「意味ある組み合わせ」にすれば、その後できあがった語がたとえ無意味語であっても、かえってその「おかしな」音を楽しみながら活動してくれました。「ま行」について、「マンボウ」から「あんぼう」、「みかん」から「いかん」、「むかで」から「えかで」、「めがね」から「えがね」、「もも」から「おも」、などなど。子どもの「気付く力」ってすごいなぁ、と感じたのを覚えています。

この STEP で扱う Worksheet 7-1, 7-2 にある「日本語と英語で似た語の書き取り」についても同様です。日本語に対応する英語を何個か書き出した時に、ある3年生の男の子が言いました。「これ、法則性があるよ。」 確かに、日本語のローマ字の時は「子音+母音」が基本ですが、もう1つ(英語)の方はどうも違う。子どもたちの小さなつぶやき、大きな叫びをうまく引き出し生かしながら、ことばの学びを行っていきたいなとしみじみ思いました。

それにしても、仮名文字を分割する活動をした次の授業はじめに、3年生の女の子が教壇の私の所に来て、上を指差しながら「えんじょう」と言ったときは、「え、炎上?何が燃えてるの?」と焦りました(笑)。

この STEP では、これまでのローマ字学習を通して、仮名文字から取り出せるようになった「子音」の音の復習から始めます。活動はすべて Worksheet を用いて行いますが、あくまでも「今まで学んだことを使って取り組んでみよう!」という目的の活動であり、ローマ字と英語の書き取りテストではありません。文字カードやアルファベット一覧表を手掛かりとして提示したり、何度も音を聞かせたり、最大限の支援をしながら、子どもたちと Worksheet を完成させてください。

◆活動のめあて

これまで扱った子音字と母音字を使って、聞こえた日本語の語をローマ字で書き取ることができる。
② これまで扱った子音字と母音字を使って、聞こえた英語の語を音素単位に分割して聞き取り、それに対応するアルファベットを書き出すことができる。
③ 外来語(カタカナ語)とそれに対応する英語の語を聞き比べたり、綴りを見比べたりしながら、日本語と英語の音声構造の違いに気付いている。

◆所要時間:導入活動のみ 15分/Worksheet 7-1 15分、 Worksheet 7-2 15分


《Worksheet 7-1 は
こちら からダウンロードできます》


《Worksheet 7-2 は
こちら からダウンロードできます》

◆The Flow of Instruction 指導手順

1. 【復習】 STEP 4~6 で用いた語(絵カードや文字カード)を使って、仮名文字を「子音」と「母音」に分割し、それぞれの行のローマ字綴りのはじめにくる「子音」の音を取り出して言う練習をします。

*「ぱ」の文字と pa のローマ字綴りを見せ、「はじめの音は?」と尋ねましょう。「はじめの子音」が無声音の場合は、喉に手を軽く当てて震えがないことを確認します。その後、勢いよく、速いテンポで、「/p/, /p/, ぱ(/pa/)」と言いながら子音を母音と混成する練習もしておきましょう。

* ローマ字綴りで「ん」は n の文字単独で(後ろに母音字を伴わず)表されることも説明しておいてください。

2. Worksheet 7-1 を配付し、1の活動に取り組ませる。

* 子どもたちと一緒に、絵が表すものをゆっくり発音(1つ1つの仮名文字の音を丁寧に)してから始めます。

3. Worksheet 7-1 の 2 の活動に移ります。指導者の発音を注意してよく聞くよう伝え、(1)~(4) の英単語をはっきりと発音します。この時、子音連結の間や、語末の子音の後に母音を補って発音しないように気をつけます。

指導者が発音して聞かせる音《 (1) ham    (2) gas    (3) mask    (4) ink 》

*1の日本語と同じ活動と認識してしまう子どももいますが、「聞こえた音だけを順番に書こう」と促してください。中には「これって、英語?日本語(ローマ字)?」と具体的に尋ねてくる子どももいます。「どっちかなぁ。聞こえた音だけ書くんだよ」と、あくまで音を頼りに答えるように説明しましょう。

4. 1 と 2 の答え合わせをします。テストではないので、子どもたちのやる気を損なわないよう、指導者が答えを示し、それを写させるようにするとよいでしょう。その際、1のローマ字は「仮名文字単位で」、2の英語は「音素(子音、母音)単位で」、ゆっくりと1つ1つの音を発音しながら確認してください。

5. Worksheet 7-1 の 3 の活動をします。子どもたちの気付きを自由に引き出します。ねらいは 2 で書いた語に「子音+母音」のセットになっていない部分があることに気付かせることです。最後に、2 が英語の語であることを伝えて、子どもたちと発音してみます。

6. Worksheet 7-2 を配付し、上の 5 で気付いたことを思い出しながら取り組むように伝え、同様に進めます。

2の活動で聞かせる音 《 (1) pink   (2) bank   (3) desk   (4) post 〈発音注意:[poust]〉  (5) stamp 》

* (4) 英語の post の /ou/ は二重母音です。もし子どもが poust と綴ったら「まさによく聞き取れていた」ということなのですが、それを褒めたうえで、「post の時は特別に o だけで綴ります」と説明してください。この活動の目的は「子音の音の後に母音を補わない」ことなので、そちらに焦点を当てます。

*stamp の m を正確に聞き取るのは難しいので、この部分を発音する時に、唇を上下しっかりと付けた状態を大げさに見せます。

◆ Answers for the worksheets

■Worksheet 7-1 
1.(1) hamu   (2) gasu   (3) masuku   (4) inku
2.(1) ham   (2) gas   (3) mask   (4) ink

■Worksheet 7-2
1.(1) pinku   (2) banku   (3) desuku   (4) posuto   (5) sutanpu
2.(1) pink   (2) bank   (3) desk   (4) post   (5) stamp

 

イラスト協力:©育伸社(カラーイラスト)、愛知県立大学 外国語学部 4年 濱口 果奈 さん

 

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