「英語で英語を学ぶ」授業のなかで、生徒のコミュニケーションへの意欲を引き出し、生徒が自ら考え表現することを促すために教師に何ができるか?

ここでは、毎日の授業に役立つ問いかけしてのSmall Talkの展開例を紹介します。中学3年生から高校1年生までの生徒を対象とした生徒同士の英語でのコミュニケーションを促す展開例です。

今回のトピックは「What time is it now?」です。教師は話題を提示し、生徒同士の対話を促していきます。

【展開例】 太字部分の質問は、ペアでお互いに質問させます。

T: What time is it now? It’s almost eleven thirty. This morning I got up at five thirty, so I have been awake for six hours. When you got up this morning, what time was it?

- When you got up this morning, what time was it?

T: S1, What time was it when you got up this morning?

S1: It was six thirty.

T: How about your partner? What time was it when she got up this morning?

S1: She said it was six. She got up at six.

What time is it? は誰でも知っている表現ですが、ここで使った What time was it? など時制が異なる場合の表現はあるいは耳慣れないかもしれません。英語の時制は日本人にとっては学びづらいものなので、このように意識して使い、使わせることが必要です。かつて、有名なプロ野球の監督が「監督の器を越えてチームが成功することはない」と言っていましたが、同じように授業をする教員が授業のカバー領域を狭めてしまうと、生徒が使える範囲もまた狭くなってしまいかねないのです。細かいことではありますが、大いに重要なことです。

T: I get up early every day. I always get up before seven. I am an early riser. Are you an early riser or a late riser?

-- Are you an early riser or a late riser?

T: S2, Are you an early riser or a late riser?

S2: I am a late riser.

T: What time do you go to bed?

S2: I always go to bed at about one o’clock.

T: You mean, one o’clock at midnight? That’s why you are a late riser, isn’t it? How about your partner? Is he an early riser or a late riser?

S: He is an early riser. He always gets up at five thirty.

中学や高校生活は、自分に合った時間の使い方や自分の学習あるいは作業スピードなどを学ぶ時期です。自分が朝型なのか夜型なのかを意識し始める時期でもあります。そのような話題をトピックとすることで、生徒がこの質問を「自分ごと」にする、つまりpersonalizeすることができるようになります。授業のなかでのコミュニケーションは meaningfulなものであるべきです。現実に存在しないJack and Bettyの話はすべきでないのです。これまた細かいことではありますが、大いに重要なことです。

T: Do you do things in time? Do you come to school in time? Do you hand in your homework on time? If you do, you are punctual person. Are you punctual or unpunctual?

- Are you punctual or unpunctual?

T: S3, are you punctual or unpunctual?

S3: I’m afraid I am unpunctual.

T: Is it hard for you to do things on time?

S3: Yes. It is hard.

T: How about your partner? Is he punctual or unpunctual?

S3: She says she is punctual. She likes to do things on time.

punctualという表現は日本語にないもので、さらに発音も簡単なものではありません。こういう表現は、Small Talkのようなコミュニケーションのなかで導入すると、無理なく定着させることができます。そこで、シンプルで短い質問ではありますが、ペアで質問させてみました。こういうときにいわゆる「遅刻魔」と呼ばれるような生徒に質問すると、対話がさらに「面白く」なり、対話をクラス全員と共有しやすくなります。日頃から教師がそのような「工夫」をしていることをアピールし、クラス全体の注意を引きつける努力をすべきでしょう。また、小ネタとしてunpunctualを「アンパン作ってる?」などとボケて見せるのも有効です。

今回は What time is it now? をトピックとした展開例をご紹介しました。これを例として、自分のクラスでの展開例を考えてみてください。次回は、このやり取りについて、さらに展開例を示しながら、この活動の意図と目的について考えます。

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