投稿日:2020/08/13

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~ その3

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 実践編 ② Small Talk編 (2)
後半のSmall Talk復習ワークシート⑥から⑩

安城市立西中学校 久保田 香直 先生
 

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英語教員向けに「授業づくり」や「授業改善」に向けた情報を発信している「英語情報web」では、臨時休校期間中の特別企画として、小・中学校の児童生徒に「英語の学び」を継続して欲しいという願いから、「外国語」授業動画配信プロジェクトに取り組んできました。

本プロジェクトの復習動画や指導パッケージを、実際に「外国語」の授業で活用いただいた中学校から、実践報告としてシリーズでお届けしています。今回はその第3回です。

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★「その2:実践編①」の内容はこちらから ↓ ★

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~  その2

本授業実践プロジェクトの指導計画は以下の通りです。


《3回目の授業》

 

Small Talkの3回目。復習ワークシート⑥に沿って、「朝起きてから夜寝るまでにすること」を友達に伝えました。

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自分の生活について話すとても身近な話題ですが、実は生徒の約20%が「まだ難しいこと」と感じているトピックだということが、ポートフォリオの記述から分かりました。話題そのものは身近なことですが、昨年度の授業では、教科書の1つの単元で学習しただけでした。1年生の時に取り組んでいた Small Talk では、「自分の好きなこと・もの」について話題にすることが多かったため、生活について話すことは「慣れていない=まだ難しいこと」ととらえる生徒が多くいたのではないかと思います。Small Talk の話題設定について、今後さらに検討する必要を感じました。

具体的に、「どのような日課を英語で言えるか」には、日課ごとに習熟度の差がありました。

例えば「歯を磨く」が英語で言えずに質問した生徒がいました。小学校で一度聞いてはいるものの、中学1年生の時に触れなかったため、忘れてしまったのかもしれません。一方で、前回の授業で予習として見た動画に出てくる表現を使えている生徒も多くいました。動画とは、小・中学校「外国語」授業動画 配信プロジェクト 動画No.⑧「一日の生活について英語で聞いたり言ったりすることができる」のことです。この中に出てくる ”I get up at 6:00.  I have breakfast at 6:30.”  のように時刻とともに話す生徒が学級の半数以上いました。

一度学習した表現を動画で見たことにより、自分に置き換えて使うことができたのだと思います。さらに「朝起きてから寝るまで」というワードのおかげで、自分の生活を時間の経過とともに話すという思考になっていたと考えられます。生徒たちが使っていた表現は、I get up , I have breakfast , I have lunch, I play (sport), I go home, I watch TV, I go to bed などです。

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ポートフォリオにどの程度できたか振り返りをし、次回の予告動画(「外国語」授業動画 No.⑩「行きたい国について英語で聞いたり言ったりできる」)を視聴しました。

この予告動画が、次回の Small Talk につながります。動画に出てくるやり取りそのものが、Small Talk の流れにも重なるため、この時は小学校での学習内容を動画と共におさらいする必要があると考えました。

★記事中の「動画」(授業動画)は以下のリンク先にあります★

【中学校1年生用】オンライン授業動画 カリキュラム

そこで動画を見る前に行きたい国を聞くときにはどんな言い方をしているか、よく聞こう。」と問いかけました。一人目の女性のインタビューが終わったところ(8’19”のところ)で一度映像を止めました。“Did you catch the phrase? Let’s watch one more interview. Listen and watch carefully.” と伝え、次の男性のインタビューでも「たずね方」を聞き取るように促しました。男性のインタビューの後、どんな言い方をしていたかをたずね、”Where do you want to go?” を全体で確認し、練習しました。

さらに続いて、男性がどうやって質問に答えているかを聞き取るように伝え、男性のインタビューのみ、もう一度視聴しました。”I want to go to…” “ I want to see…” を全体で確認し、次回の Small Talk に向けて、自分ならどうやって話すかを考えてくるように伝えました。

《4回目の授業》

Small Talkの4回目。復習ワークシート⑧に沿って、「旅行でどこに行きたいか、どんなことをしたいか」について話しました。これまでのSmall Talkと同じように復習なしで会話を始めると、
“Where want to go ?”や”What you want to go to country?”
のような未完成の疑問文がちらほら聞こえました。

1回目の会話のあと、一度全体を止めて、たずね方と答え方を復習しました。プロジェクト終了後、振り返りの記述から分かったことですが、「動画を見ても、前の授業のことで忘れてしまって、会話で使えなかった」と生徒たちが感じていたようです。動画を予告として前時に見るのか、それとも Small Talk の直前に見るのがいいのかは再度考えるべきポイントだと思いました。

ある生徒二人の会話です。

A: Let’s talk about travel.
B: OK.
A: Where… do you… want to go?
B: I want to go to America.
A: (うなずきながら)Oh, why?
B: I want to go to New York, statue of liberty.
A: I see. (自分を指さして相手に質問するようなジェスチャー)
B: Where do you want to go?
A: I want to go to France, Pari(s). I want to see ? look? Umm, エッフェル塔and 凱旋門! I want to… eat… フランスパン.
B: Bread?
A: Yes, France bread. (baguettes のことを指している)
B: I see.

前回の活用レポート その2 でも書かせていただいたように、私は1回の会話の後に、生徒たちに英語で言いたかったけれど、言えなかったことをたずねるようにしています。この時、生徒Aは、”What’s エッフェル塔 and 凱旋門 in English?” とたずねました。なじみのあるような言葉の場合は答えを生徒から引き出したり、私が口頭で伝えたりしますが、この時は同じ情報を知りたい生徒がいるだろうと想定し、黒板に書いて伝えました。相手を変えて合計3回の Small Talk を行ったあと、ポートフォリオにどの程度できたかを振り返り記入しました。

それから、次の授業の Small Talk につながる予告動画を視聴しました。動画から何をつかむとよいのかが分かるようにパワーポイントでスライドを作り、その中に「外国語」授業動画 No.⑱の一部を切り取って挿入しました。視聴後、復習ワークシートの⑩を見ながら、将来なりたい職業を考えてくること、Google Classroomでも動画を配信するので家でも視聴できることを伝えました。

《5回目の授業》

Small Talkの5回目、いよいよ復習ワークシート⑩の「将来やってみたいこと」にたどり着きました。職業については、教科書の巻末の付録ページを参考にしました。前回のSmall Talkでたずね方があいまいになっていた反省から、全体で“What do you want to be?” “I want to be …”の表現を確認してから始めました。

今回の話題は、最も多くの生徒たちが「難しいこと」と感じていたものです(ポートフォリオの記述より)。難しいと感じていた部分は、「理由をつけて話す」こと。「外国語」授業動画 No.⑱で3人のスピーチを聞いたものの、”I like/ I’m good at/ I can” の表現が「理由を話す」表現として結びついていなかったのではないかと思いました。もしかしたら、生徒たちの頭の中では、理由というものを難しく捉えていたのかもしれません。

Small Talkに入る前に、理由にはどういうことを言うといいのかを考える場面があった方がよかったと感じました。”I like/ I’m good at/ I can”など使って理由を話すイメージがもてていれば、自分の夢についてより多くの言葉で伝えることができたという思いにつながったのではないかと感じました。その反面、復習ワークシートの項目にこのような細かい指示があるおかげで、達成するべきゴールが生徒に分かりやすくなっていたことにも気づきました。

このことから、今後(プロジェクトが終了したあとに)Small Talkでどのような目標と指示を提示するかを考慮して、計画していく必要があると感じました。

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予定していたSmall Talkが全て終わりました。(時間的、または内容的な理由でいくつか復習ワークシートの項目を飛ばしたところもあります。)ポートフォリオで今回の項目を振り返り(左側)、さらに右側の振り返りを記入しました。

ここまでの学習はどうだったかについては、

「よくわかった=21%」
「ふつう=61%」
「むずかしかった=18%」

特に自信をもってできたことのうち、「英語であいさつや自己紹介をする」「誕生日」「将来やってみたいことや夢」の3つが約47%を占めました。まだむずかしいことは、「一日の生活」「将来やってみたいことや夢」の2つを合わせて約28%となりました(共に複数回答あり)。

これからがんばっていこうと思うことは「会話をつなげたり、相手の言葉に反応したりすること」「使える表現や言葉を増やすこと」2つ合わせて全体の75%でした。

また、オプションですが、私自身もゴール活動のパフォーマンスに向けて予習となる動画を使いながら、Small Talkに取り組むということは初めての試みだったので、今回のこの方法をどう感じたかについて、ポートフォリオの裏面に自由記述させました。

S1: 会話の例などを見て自分の会話に役立てられる部分があったのでこの方法はいいと思います。

S2: 動画だから何回も見ることができてよかったと思いました。

S3: 予習ができたからいつもよりは話しやすかったと思う。

S4: 分かりやすかったと思います。ビデオを見ることで発音の仕方が分かるからです。

S5: 忘れてた単語や知らなかった文を知れたし、いいと思う。

S6: small talk は自分自身に英語の力がつくのでとてもいいなと思いました。

これらを見ると、生徒たちは概ね Small Talk に前向きであったこと、そしてがんばっていこうと思う自分なりの「目標」をもてていることが分かりました。

次回はいよいよ、自己紹介の発表です。これまでのSmall Talkの成果がどのように表れるでしょうか。


久保田 香直 先生

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