投稿日:2020/08/30

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~ その4

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 実践編 ③
いよいよ本番!生徒たちの「自己紹介」!

安城市立安城西中学校
久保田 香直 先生
 

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英語教員向けに「授業づくり」や「授業改善」に向けた情報を発信している「英語情報web」では、臨時休校期間中の特別企画として、小・中学校の児童生徒に「英語の学び」を継続して欲しいという願いから、「外国語」授業動画配信プロジェクトに取り組んできました。

本プロジェクトの復習動画や指導パッケージを、実際に「外国語」の授業で活用いただいた中学校から、実践報告としてシリーズでお届けしています。今回はその第4回、最終回です。

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★「その1」「その2:実践編①」「その3:実践編②」の内容はこちらから ↓ ★

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~  その1

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~  その2

《「外国語」授業動画配信 PROJECT 》学校現場での活用レポート ~ 安城市立安城西中学校 第2学年 ~  その3

本授業実践プロジェクトの指導計画は以下の通りです。


Small Talk を通して学んだことを「自己紹介」に生かす


6月に休校が明けて授業再開直後から取り組んできた〈自己紹介チャレンジ〉。
Back to School チャレンジ!のミッション「クラスの友だちに英語で自己紹介しましょう」に向けて、これまで「復習ワークシート」を使いながら5回の Small Talk に取り組んできました。このプロジェクトの最初の授業で、どのような自己紹介ができることを目指しているのかを5つの項目とルーブリックで生徒たちと共有しているので、発表する自己紹介の内容をこちらが事前指導することはしませんでした。

さて、いよいよ自己紹介を発表する授業です。

授業が始まる前には、友達同士で練習する姿が見られました。これは私の感覚ですが、目指すゴールをイメージし、この自己紹介に向けて Small Talk でステップを踏んで活動してきたことで、発表への緊張感(抵抗感)が低くなっていたように感じました。発表する順番を決め(どのような順番で発表するかは生徒にとっては重大なこと)、発表を見ながら友達のよいところなどをメモできる用紙を配付しました。友達の発表を見ることも大切な学習だからです。

実際の生徒の「自己紹介」から

一部の生徒の発表を書き起こしてみました。 生徒の番号(S1~S5)の横に記したように、それぞれ「ルーブリック」を意識する様子がうかがえます。

S1 (理由を付けて話している)

Hello. (手を振って自分を指すジェスチャー)My name is XXX. My birthday is December 7.. I’m in the basketball club. I like basketball. I like English, too. I want to be a flight attendant in the future. I want to help people to enjoy their flight. Thank you.

S2 (好きなことについて詳しく話している)

Hello. My name is XXX. え~, My birthday is October 11. My favorite, my favorite subject is art because I like えええと, ええと, draw, drawing. I like comics book. ええと, I like Kimetsu or Hiroaka. ええと, ええと, Thank you.

S3 (行ってみたい国について詳しく話している。聞き取りやすい声、抑揚、スピードで話している)

Hello, I’m XXX. I’m thirteen years old. I want to go to America because there are so many famous spots. For example, I want to see the Statue of Liberty. (ここで自由の女神のポーズをとる) I want to go to Disney World Resort. My birthday is December 10. I like December because December has my birthday and Christmas. Thank you.

S4(好きなスポーツについて詳しく話している)

Hello, everyone. I’m YYY. I like sports. I like sports. For example, I like table tennis(卓球のラケットを振るジェスチャーをする). I’m in the table tennis club. I usually practice weekend. I, I went, I want to play it well. It’s exciting. Thank you.

S5 (好きな物、誕生日に欲しい物について話している)

Hello everyone. I’m YYY. I’m thirteen years old. I like sushi because it’s very delicious. I like hamburg steak, too. My favorite subject is history because I like Hideyoshi. My birthday is September 29. I want new game for my birthday. Thank you.

生徒の番号(S1~S5)の横に記したように、それぞれ「ルーブリック」を意識する様子がうかがえます。特に「例」や「理由」などを添えて、伝える内容が相手によく分かるように、つまり活動の「目的・場面・状況等」をしっかりと理解しながら、「自己紹介」を組み立ててきたことが分かりました。

発表後の「振り返り」

発表後に生徒たちは、振り返りを行いました。2つの問い(Q1, Q2)について、生徒の記述の一部をご紹介します。

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Q1. 自己紹介に向けて Small Talk でいろいろな話題を練習したことは、役に立ちましたか?
    ④役に立った ③少しは役に立った ②あまり役に立っていない ①役に立っていない
         (1つを選び、その理由を書く。)

S6: 
1年生で習った英語をスモールトークで復習できたし、スモールトークで自信をもって言えたものは、自己紹介でも自信をもって言えてよかった

S7: 
スモールトークをしなかったら、自分の行きたい国、またそこで何をしたいかについてきっと言えていなかったと思うから。

S8: 
めちゃくちゃ役に立った!英語で話すことに慣れて、人が話すのを聞いていろいろな表現の仕方が分かった。もっとスモールトークをがんばりたい。次のスピーチがあることを期待して、練習していきたい。

S9: 
好きなことや自分の夢などはしっかり言えたけれど、その理由がきちんと言えなかった。

S10: 
役に立ったが、うまく使いこなせなかったから

◆考察

「④役に立った」、あるいは「③少しは役に立った」と答えた生徒の割合は90.8%でした。多くの生徒が、自己紹介に向けてSmall Talk をしたことが役に立ったと感じています。昨年度の授業で行っていた Small Talk では、あるトピックに関して会話をして会話の中で使える表現の幅を広げることを目的にしていました。しかし、今回のように「大きな目標」に向かって Small Talk を行うことで、目標に前向きに取り組むことができ、1つ1つの小さな活動(Small Talk)にも目的意識をもたせられることを実感しました。
また、上の S9 のように、「ルーブリック」の記述を参照しながら振り返りを記述している生徒がいました。これはその生徒が、「自分のパフォーマンスを評価する(される)基準」としてのルーブリックの役割を意識しながらさまざまな活動に取り組んでいたことを表すと考えられます。その点でも、目指す目標や、最終的な評価について教員と生徒が理解を共有することが、生徒の学びにおける主体性の育成にもつながることが分かりました。

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Q2.これまで「英語でできること」を一つ一つ意識しながら勉強してきました。「自分は英語で何を、どの程度できるのか」を考えるようになって、英語学習への取り組み方(意識)が変わりましたか?
         ①変わった ②変わらない
        (いずれかを選び、その理由を書く。)

S11:
できること、できないことがはっきりと分かって、できなかったことをできるように練習することができたから。

S12:
毎回できるようにと、目標を意識しながらやると頭に入りやすくなったと感じるから。

S13:
今までは英語がすごく苦手で勉強してこなかったけれど、2年生になって Small Talk をやって英語は大事だと思って、自分から勉強するようになったから。

S14:
自分にできることがだんだん増えてきたと感じて、1年生の時とはちがって楽しくなって意欲的にできるから。

S15:
できることが増えるともっと言えるようになりたいと思えた。そうすると話すことがだんだん楽しくなってきて、いろいろな表現を身に付けたいと思って、がんばって覚えようと努力できたから。

S16:
今までの振り返りは「全体的によかった」とまとめてしまうことが多かったけれど、何がよくて(よくできていて)、何が悪い(苦手)なのかを考えるようになったから。

◆考察

「①変わった」と答えた生徒は全体の96%でした。やはり、自分のできること・まだ難しいことを自分が理解することが自己調整への第一歩だと感じました。そして、まだ難しいことはどうしたらできるようになるのか、目標に近づけるのかを生徒自身が考えられるようになることも自己調整の力です。振り返りは、それを引き出させるような文言で表すことも必要だと私は学びました。

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 前回の記事(「その3」)にも書かせていただいたようにほとんどの生徒が「英語をもっと話せるようになりたい」と感じています。このプロジェクトに取り組ませていただき、生徒たちのその思いをどうしたら実現できるかということについて具体的に改善策を考えられる機会となりました。

● 一つ一つの小さな活動にも、目的意識をもたせること。

● それに取り組むことで何ができようになるかということを生徒自身がきちんと理解すること。

自己調整力を高められるような振り返りシートの作成と振り返りの仕方を指導すること。
 
今回の経験を基に、これからも生徒の力を引き出して伸ばす工夫と努力を、日々の授業の中で生徒たちと共に重ねていきたいと思います。

久保田 香直 先生

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