投稿日:2020/09/05

"Hands-on Small Talk" スモールトーク【小・中学校編】W19-1: "Is there anything you don't like?" 苦手なものについて話してみよう!(前)

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「好きな~」をどう表すか

前の記事(W18-1, 2)では、「お気に入りのもの」をトピックとして Small Talk の展開を考えてみました。
特に "favorite" という形容詞を用いて

What is your favorite room in our school? (学校であなたがお気に入りの部屋はどこですか?)
My favorite room is the music room.(私のお気に入りの部屋は音楽室です)

のようなやり取りも扱いました。

そして「好きなもの」を表す表現として、今では小学校英語教育でも "What fruit do you like?" "I like apples." という動詞 "like" を用いた表現だけでなく、"What is your favorite fruit?" "My favorite fruit is watermelon!" の形も広く取り入れられていることに触れました。

サムネイル画像2-Aug-13-2020-12-03-19-65-AM

ただ、この "favorite" という語を扱うときに、少し気になることがあります。

I like blue.
My favorite color is blue.

この2つの文が表していることは、同じなのだろうか…ということです。

Oxford Learner’s Dictionaries のサイトを見ると、"favorite" の定義は、次のように表されています。

"liked more than others of the same kind"(同種の他のものより、もっと好まれている)
https://www.merriam-webster.com/dictionary/favorite

また Longman Dictionary of Contemporary English Online にも、このように説明されています。

"your favourite person or thing is the one that you like the most"(もっとも好きな人やものであることを表す)
https://www.ldoceonline.com/dictionary/favourite

つまり "favorite" には単に「お気に入りの~」、「好きな~」と言うよりも、「(他のものよりも)とてもお気に入りの~」、「もっとも好きな~」といった意味合いが含まれていることが分かります。

ここで先ほどの2つの文 "I like blue." と "My favorite color is blue." を見てみます。確かに、ほぼ同義として用いられている場合もありそうです。ただ中学校後半くらいになったら、"language awareness"(「言語意識」=言語の性質についての気づき)を高めるうえでも、用いる文脈を工夫して違いを感じられるように丁寧に扱うこともできそうです。

「好きな~は何ですか?」とたずねたら、「苦手(嫌い)な~」も聞いてみたくなる?

実は小学校から中学校はじめにかけて、生徒が英語でやり取りをしているときに、次のような表現が聞こえてくることがあります。

1    S1: Hi, S2. What fruit do you like?
2    S2: I like strawberries. ... I like sweet strawberries.
3    S1: Oh, strawberries. I like them [strawberries] too. ... Sweet.
4    S2: Yes, sweet. Delicious.
5    S1: * What fruit do you don't like?  ( *は「非文」を表す)
6    S2: Kiwi ... I don't like kiwi fruits.

4行目の S1 の質問に注目してください。これは文法的には誤った文なのですが、どうも生徒には「文法や構文についての理解が芽生え始めているのでは」と思われるものでもあります。すなわち

5    S1: * What fruit do you don't like?  ( *は「非文」を表す)

"What fruit do you like?"(どんな果物が好きですか?)とたずねることのできる生徒であれば、「好きな果物は聞いたから、今度は好きじゃない果物を聞いてみよう」と思った時に、"What fruit do you ... " までは口を突いて出ます。ただそこで、「好きじゃない果物」をたずねることを意識して、自分が「好きではない(苦手な)果物」を伝える時に "I don't like ~." という表現を使うことを思い出して ... 上の質問のようになってしまうのではないでしょうか。

相手の「好きではない(苦手な、嫌いな)果物」をたずねるとき、次のような表現を使います。

Is there any fruit you don't like?

答えは "I don't like ~." で大丈夫です。

一方、日本語で「どんな果物が苦手ですか?」とたずねるのだから…と what から始まる疑問文を使おうとすると、こうなります。

What is the fruit you don't like?
What fruit do you dislike?
What fruit do you hate?

1つめの例は、文法的に "you don't like" が "the fruit" を修飾する形で中学校の学習事項ですが、小学校でももちろん、何度も聞いて、何度も言ってみるようにすれば導入可能です。
また "hate" という語は、"hate" =「嫌い」という対訳だけで指導されがちですが、"don't like" や "dislike" よりも「嫌い」の度合いが強いため、使い方に気をつけましょう。

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今回は "favorite" という語の意味合いの話から始まって、さらにその逆の意味で「好きではない(苦手な)~は何ですか?」という問いを表す表現について考えてみました。児童生徒には身近な「好き嫌い」の話題。でもその「表し方」には少し複雑なところもありそうです…。
次回、これらを用いた Small Talk の展開をご紹介します。

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