愛媛県立大洲高等学校
教諭 菅野 圭作 先生

1 はじめに

 今年度私は、10年間務めた前任校から愛媛県立大洲高等学校へと赴任しました。中江藤樹邸址校として「知行合一(ちこうごういつ)」の精神を教育の根幹に据え、青色発光ダイオードを発明し、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏を輩出するなど、地域の期待に応える伝統校です。しかし、「どんな生徒と出会えるのだろうか」という期待は、新型コロナウイルスによる非常事態宣言により、もろくも打ち砕かれてしまいました。約1か月に及ぶ休校は、教師としての存在意義すら考えさせられる日々であったように思います。

2 授業における「つながり」

 5月中旬から始まった授業において、私が大切にしたのは4技能統合型の授業を通した学びの「つながり」です。授業設計において大切なことは、そのレッスンで生徒に「どんな力を付けさせるのか」というゴールを明確にすることです。授業を組み立てていく際に、よく「指導方法」に意識が向いてしまい、大切な「指導目標」や「指導内容」が疎かになってしまう場合があります。活動や体験はそれ自体が楽しく、生徒は意欲的に取り組みます。しかし、教師が学習活動を通して習得させるべき力を意識していなければ、「活動あって学びなし」となります。まず、学習指導要領に示されている「付けるべき力」に基づき指導目標を設定(Backward Design=逆向き設計)し、目標を達成するために必要な学びを毎時間つないでいくことが大切であると考えます。
 ここで私が実践している授業の流れを簡単に紹介させていただきます。Pre-reading では、1 minute chat や、単元に関連する写真をペアで描写したり、同じく単元に関連する内容で、自分の意見を求める質問の英検二次面接カードを利用したりしています。While-reading では、ペアでTorF3問、Q&A3問、自分の意見を求める質問1問の計7問を、お互いに質問しあって答えさせることで内容理解を行っています。またキーセンテンスに関しては何度も音読し、その文法を使って自分のことを述べさせることで定着を図るようにしています。Post-Reading では、Repeating、Read & Look up、Rapid Reading、虫食いReading、Shadowing の音読活動を十分に行い、その後、Picture Retellingや Micro Debateを行っています。授業の中でしっかりとFluency を鍛えた後、宿題として Summary を書かすこと、そして各パート終了後に本文の暗写テストを行うことで、 Accuracy へとつなげています。また、できるだけ自分のことを述べる(Personalization)の機会をもつように心がけることで、生徒は自分の気持ちを伝えたいという意識が高まってきていると感じています。私の授業では、何度もペアやグループで活動を行うようにしています。相手意識をもたせた双方向のコミュニケーションを通して、「人と人とのつながり」をもたせることで、良質なコミュニケーターとしての資質を磨くことも心がけています。

3 小・中・高におけるつながり

 私は前任校で中等教育学校に勤務し、高校教師でありながら中学生を指導するという貴重な経験をさせていただきました。また、近隣の小学校へ中学生が英語を教える「出前授業」も行い、小学校での外国語活動で何が行われているのかを知ることができました。その中で感じたことは、高校教師はもっと小・中学校でどのような学びが行われているのかを知るべきだということです。小・中学校では毎時間学習目標(めあて)を明示し、帯活動(Small Talk)やスモールステップを踏んだ様々な言語活動を設定し、本当に丁寧に児童・生徒が主体的に学習に取り組める工夫がなされています。また、必ず「振り返り」の時間を設定し、毎時間何を学んだか、何ができるようになったかを児童・生徒自身が確認できるように構成されています。そうした学びを経た生徒たちを、私たちはスムーズに高校英語に導かなくてはなりません。校種間における意見交換会や情報提供を積極的に行うなど、校種間の接続を円滑にし、小学校の学びを中学校につなげ、高校でさらに発展させ、児童生徒の学びをより確かなものにするために、小・中・高の外国語科のよりいっそうの連携を図ることが重要であると考えます。これまでの「階段式」の構図では、中1ギャップ、高1ギャップを生み出してしまいます。児童・生徒に「英語をもっと話したい!」、「英語学習が楽しい!」と思ってもらえるよう、校種を超えて、今こそ私たち英語教師がつながることが大切であると思います。

 

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4 おわりに

 このコロナ禍の苦しい中、生徒の保護者の方々は子供のために全てをささげて働いておられると思います。そのお金をいただいて、今の自分そして家族の生活が成り立っていることを肝に銘じ、保護者の想いを感じられる感性をもち続けたいと思います。「全ては生徒のために」。自分が出会った生徒はみんな英語を好きになってもらいたい。英語を通して生きる楽しさや、人との関わりの大切さを感じられる生徒になってもらいたい。そのために、これからも授業改善に努めていきたいです。
 変わらない信念と、変えていく勇気。自分が教えた生徒たちが、いつか世界平和に貢献できる日がきっと訪れることを信じて、今日も笑顔でワクワクした気持ちをもって教壇に立ちたいと思います。

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