つくば市教育局 学び推進課
指導主事 本松 知美 先生

 本市では、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下においてもICTを効果的に活用し、児童生徒の学びを保障してきました。今年度は例年とは異なるスタートとなりましたが、先生方の創意工夫と努力により様々な取組がなされています。
 本市のICT教育は40年以上の歴史があります。授業ではデジタル教科書が日常的に活用されている他、児童生徒自身が「スタディノート」で作成した資料をもとにプレゼンテーションをしたり、ウェブ会議システムで他校との交流を行ったりしています。また、言語活動の様子(やりとりや発表)を振り返る際には、タブレット型PCが役立っています。更に、家庭でも使用できるオンライン学習教材「チャレンジングスタディ」(AIドリル)を用いて、各自のペースで学習を進めたり、学習到達度を把握したりと、様々な場面でICTの活用が見られます。
 このように日頃から教師と児童生徒がともにICTを活用してきたことが、新型コロナウイルス感染症の拡大が心配される中で、「学びを止めない」ために大いに役立ったと言えます。
 以下に本市の取組のいくつかを紹介します。

1 学習支援プラットホーム「つくばキッズ」の開設による家庭学習の支援

 本市教育委員会では、3月に学習支援のプラットホームとして「つくばキッズ」というホームページを開設し、先に述べた「チャレンジングスタディ」やその他一般に公開されている学習教材等に簡単にアクセスできるようにしました。また、4月初めには、ALTの協力を得て作成した学習動画も掲載しました。これらは、児童生徒が家庭学習を円滑に進めたり、自分で学習内容を選択して取り組んだりするための一助となったと考えます。

2 学校ホームページやクラスメールを活用した学習課題告知と回収

 休校期間中、各学校は、学校ホームページで学習課題を知らせ、クラスメール(学級ごとに割り当てられたメールアドレス)を使って成果物の回収や児童生徒との双方向のやりとりを行いました。
 学習課題を出す際は、各校で作成した単元計画に基づき、学習活動を「学校の授業で取り上げることが必要であると考えられる活動」と「学校の授業以外の場での学習が可能であると考えられる活動」とに分けることで、学校での学習と家庭学習に連続性をもたせました。単元を見通した学習課題の作成、学習の流れや目的を示したガイダンスの提示をすることで、児童生徒が見通しをもって主体的に家庭学習に取り組めるようサポートしました。
 学習課題にはYouTubeでの学習動画(県、市、学校独自のもの、一般のもの)やMicrosoft Formsなどの活用が見られました。各校で作成された授業動画には、先生方の児童生徒に対する思いが込められていました。児童生徒にとって、自分の学校の先生が登場する授業動画を見ながら学習を進められたことは、学習意欲の向上につながったと考えます。

3 PCの貸し出しによる家庭でのICT環境整備

 今後の非常事態に備え、必要な家庭にノートPCとモバイルルーターの貸し出しを行いました。その後、試運転として学校と家庭(児童生徒)間でZoomによる接続テストを実施しました。これにより今後再び休校になった際、オンライン授業が行える環境が整備されました。
 また、令和3年度からは、GIGAスクール構想によってすべての児童生徒に1人1台端末が配備されるため、学校と家庭の学習の接続を含め、より多様なICTの活用が期待できます。

4 ウェブ会議システムを用いたALT研修

 本市では、様々な分野において豊富な知識や経験を有している約30名のALTを直接雇用しています。これまでも、児童生徒の資質・能力を育成するための方策について、国や県の資料を用いた研修を定期的に行い、ALT全員の指導力の向上とチームとして互いを支え合える関係作りを進めてきました。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大が心配される状況でも定期的に研修を行うために、ウェブ会議システムも活用しています。これにより、頻繁に情報交換を行うことが可能となりました。ウェブ会議では、ALTの学校現場での対応力を高めるため、教材研究やT2としての役割について実践を共有し合う機会を多く設定しました。また、言語活動において3密を避ける工夫やプレゼンテーションソフトを活用した教材についても検討しました。3密を避けた集合型研修とウェブ会議による研修を併用し、様々なアイディアを交換し合うことで、T2としてのより良いサポートや児童生徒の実態に沿った言語活動の提案を目指しています。


 本市では、つくば市教育大綱に示されている「教え」から「学び」への転換に向け、先生方が日頃から様々な工夫をし、熱意をもって多くの取組をされています。年度末に向けて、オンライン研修等を活用し、今年度の実践の数々を市内で共有する機会を設けたいと考えています。今後も新学習指導要領で目指す児童生徒の資質・能力の育成のため、これまでの取組を大切にしながら、前進していきたいと思います。

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