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2025.03.10 教育情報 学習塾・英会話教室での英検活用

高まる英検取得ニーズに対応し、早期からの4技能育成を目指す

株式会社 ウィザス
教務統括部 統括
小西 邦幸 氏

高校受験支援部 室長
清川 貴志 氏

保護者と同じ視点で生徒一人ひとりを見る「1/1の教育」を実践

 ウィザスでは、主となる学習塾事業のほか、通信制高校「第一学院高等学校」の運営をはじめとした高校・大学事業、日本で学ぶ留学生や働く外国人への日本語教育などを行うグローバル事業、子どもから大人まで幅広い年齢層を対象にした能力開発・キャリア支援事業など、教育を柱に広く事業を展開しています。また、英語に関連する事業としては、英語のイマージョン教育(母語と外国語の両方の語学力を伸ばすことを目的とした学習方法)を行う学童保育やインターナショナル・プリスクールなども運営しています。

 学習塾事業では、近畿圏を中心に展開する「第一ゼミナール」を基軸に、小学生から高校生まで、そして、個別指導から集団指導まで、ICTを活用したオンライン授業も取り入れつつ、それぞれのニーズに合わせた教育サービスを提供しています。進学塾として成績向上と志望校合格に全力を注ぐのは当然ですが、創業当初より「目標は志望校合格!目的は社会で活躍できる人づくり!!」を掲げ、生徒の前向きに学ぶ意欲を引き出すことを重視してきました。そんな私たちが掲げる教育理念は、「1/1(いちぶんのいち)の教育」です。1/1とは、保護者が我が子を見るときの視点や関係性のこと。集団指導であっても、保護者と同じ視点で生徒一人ひとりを見ていくことを大事にしています。

外国人講師によるマンツーマン指導で、アウトプットを強化

 英語教育においては、インプットに加えてアウトプットにも重点を置いた指導が特徴です。小学生を対象にした「小学生わくわく英語コース」では、いわゆる「英会話スクール」との差別化を図ることを意識しつつ、英語4技能の育成を目指した指導に取り組んでいます。当コースは英検の目標級(3〜5級)別になった無学年制で構成しており、グループ会社の登録通訳者でもある日本人講師による文法等のオンライン集団指導と、外国人講師によるオンラインのマンツーマン指導がセットになっているのが特徴です。後者は1回25分のオールイングリッシュの授業で、日本人講師から学んだ内容を英語でアウトプットする機会として位置づけています。

 また、中学生の英語の集団指導は、学校の定期テスト対策を中心にカリキュラムを編成しつつ、中学1・2年生には、年12回、外国人講師によるオンラインのマンツーマン指導を行っています。普段の授業では網羅しきれないリスニングやスピーキングに取り組むことで、学んだことを実践し、英語でコミュニケーションをとる経験をしてもらいます。「聞き取れた、わかった、伝わった…」という実体験を通した学びは、英語へのさらなる興味・関心を喚起し、英語学習のモチベーションを高めると考えています。実際、最初は緊張した様子でも、終わったときには「次はこういうことを聞いてみたい」「どうやって話したらいいか、文章を作ってみる」といった前向きな姿勢が見られます。

英検という小目標があることが、継続学習につながる

「第一ゼミナール」の主な拠点である大阪府の公立高校入試は、英検2級以上を取得していると優遇される(英語の入学試験の得点が、英検準1級取得者は100%、2級取得者は80%の読み替え率で換算される)ため、特に上位校を目指す中学生の英検取得のニーズは非常に高くなっています。高校入試で役立つのはもちろん、英検を受けるメリットは、スモールステップを踏みながら目標を持って学習ができることにあると考えています。中学1・2年生にとって、高校合格は少し先の目標で、そこに向けた積み重ね学習は多くの生徒にとって容易ではありません。英検というマイルストーンがあることで学習が進めやすくなり、結果として志望校合格にも役立つのであれば、これを利用しない手はないと、生徒たちにも伝えています。

 英検2級を持っていることが高校受験において上位校を受験するための必須条件になりつつある状況や、小学校5・6年生での英語の教科化などを受けて、小学生の英語学習のニーズも高まっています。小学生のうちから計画的に英検を取得させようという考える保護者も増えており、早期から英検取得を意識した英語学習が必要であることを発信しています。

 中学生コースでの英検対策は、普段の授業に加え、年3回の準会場実施に合わせて、希望者に向けて「英検合格集中講座(3級・準2級・2級)」を開講し、生徒はそれぞれの目標級に応じて受講しています。また、小学生については、先述の「小学生わくわく英語コース」が英検の目標級別になっており、レッスンを通して英検に対応し得る英語力を養う内容になっています。

「英検プレテスト」を活用し、英検への挑戦を後押しする

 英検に関する新しい動きとしては、プラチナパートナーシップの締結を機に、「英検プレテスト」の実施を始めました。これまで、英検を受験したことのない生徒や英語に苦手意識のある生徒の英検に対する心理的ハードルをいかに下げるかが課題でした。英検プレテストを通して今の自分の力を知ることで、「この級なら合格できそうだ」という目星がつき、「じゃあ、英検にチャレンジしてみようか」と、外発的な動機づけになります。受験提案をする側としても、英検プレテストの判定結果があることで、「このくらいの力があるから、次の英検では4級を受けてみようか」などと具体的な提案ができ、指導にも役立っています。

 英検プレテストについて、初年度(2024年度)は、小学生は6月と11月の年2回、通常の塾内テストの算数・国語とセットにして実施をしました。これまでも小学6年生には英語のテストを実施していましたが、英検プレテストの導入により小学4・5年生まで受けられるようになりました。また、中学生については、10月下旬〜11月上旬に英検プレテスト期間を設定し、1・2年生を対象に実施しました。

進学塾として培ってきた指導力を活かし、新たな価値を提供する

 昨今、小学生においては、英語の習熟度の二極化が顕在化してきた印象があります。小学4年生で英検3級や準2級に合格するような英語ができる子がいる一方で、地域や学校によって、小学校の英語指導にはバラつきがあり、小学校で英語の学習をあまりやってこなかったという子もいます。中学1年生の1学期の中間テストの内容を見ても、以前に比べると格段に難易度が上がっており、中学校に入ってすぐに英語でつまずいてしまうケースも少なくないのが実情です。

 今後に向けて、「小学生わくわく英語コース」をブラッシュアップ、またはコースを新設し、さらに特色あるものとして打ち出していきたいと考えています。先述のように、英会話スクールにはできない、進学塾ならではの英語指導のあり方を検討していくことも踏まえたうえで、英検プレテストなどもコースに組み込み、活用していきたいと考えています。

 また、中学生の英語指導については、学習指導要領の改訂に伴い取り組むべきことが盛りだくさんとなっているので、それが本当に生徒のためになるのか、生徒のニーズに合っているのかをあらためて見直し、精査していきたいと考えています。進学塾として培ってきた指導力を活かして、生徒や保護者に求められる以上の価値提供ができるよう、今後もより良い教育サービスの開発に力を入れていきます。

 

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