教室を挙げての英検2次試験対策で、頑張る生徒をサポート
株式会社 中萬学院
代表取締役社長
鈴鹿 壮史 氏
学力をもって社会に貢献する人材を育てる、創業70年の教育塾
中萬学院の前身は、創業者・中萬憲明が1954年に横浜市金沢区に開塾した英語塾「中萬英学塾」です。戦後教育への懐疑から人間教育を柱にした学習道場を作ろうとしたその思いは、「学力をもって社会に貢献する人材を育てる」という理念として、現在も脈々と受け継がれています。
進学塾であるからには当然、学力向上や志望校合格という成果を出すことが求められますが、私たちは進学塾である以上に教育塾であることにこだわってきました。特に重視してきたのが、セルフエスティーム(自尊心)、思いやり、忍耐力、利他的に考え行動する力、人生の壁をたくましく乗り越えてゆくレジリエンス(耐久力)といった生徒の「心」を育てる指導です。授業内では、生徒の意識を高め意欲に火をつけるようなトークや声掛けをして、前向きなエネルギーを生み出すことを大事にしています。生徒の鼓舞の仕方は教師それぞれですが、「生徒の人生の教師であれ」というモットーは、現場をはじめ社内に広く深く浸透しています。
また、中萬学院での学力面の指導においては、各生徒のこれまでがどうであれ、目の前の生徒を変えること、学力を伸ばすこと、そして驚くような成績向上や逆転合格を実現することに、徹底的にこだわってきました。これが地域にも浸透し、今では「逆転の中萬」と言われるほどになっています。2024年オリコン 顧客満足度〈R〉調査においても、「中学受験 塾 首都圏」ランキングで2年連続総合1位、「高校受験塾 塾 首都圏」ランキングの「成績向上・結果」の評価項目で第1位をいただきました。
私たちの主な拠点である神奈川県は、大学進学率が約70%に上り、東京都、京都府に続いて全国3位です。そうしたなか、進学するなら自分にとって価値のある大学に行く、やりたいことから逆算して大学・学部を選ぶ、その大学に向けて必要な学力を身につけるためにはどこの高校に行けばいいかを考える、というように中萬学院では将来の夢や目標から逆算して高校受験校を定める指導をしています。
中萬学院オリジナルの指導で、英語4技能を育成
神奈川県内では中学受験率は17%ほどと都内ほど高くなく、公立高校入試の平均倍率も1.2倍程度ですが、公立高校の入試問題は難易度が高く、特に英語は全国屈指の難しさです。また、各校が独自に行う特色検査では、トップ校を中心に教科横断型のかなりハイレベルな問題が出題されます。なかでも英語を主軸にした融合問題では、英検準2級・2級で出題されるような理系のアカデミックなテーマが出題されることが多く、入念な対策が必要になっています。
こうした背景を踏まえて、中萬学院の各教室では、英検を活用した早期からの積み重ね学習を強く推奨しています。小学校で英語が教科化される以前より小学4年生から英語を必修科目とし、英語4技能のバランスを意識した指導を行ってきました。こだわっているのが、オリジナルのトレーニングシートを使ったライティングです。「英語を聞き取れた、話せた、楽しかった」で終わりではなく、学んだことをしっかりと書けるようになることをゴールにしています。
中学生の英語の授業でも同様に、中萬学院はライティングにこだわっています。英作文トレーニング用のオリジナル教材を使い、短い英文を通して文法事項を理解し、それを自分で書けるようになるまで反復しています。楽譜が読めるだけではピアノは弾けないのと同じで、英文を読めるだけ、文法を理解しているだけでは、英語は使えません。やはり、書いてみる、口にしてみるという機会が不可欠です。こうした考えから、中萬学院ではライティングに重きを置いたトレーニングで、英語4技能をしっかりと育成することを目指しています。
英検取得に向けたプロセスを通して、チャレンジ精神が育つ
英検については、生徒に向けてのみならず保護者に向けても、中萬学院オリジナルの「CG英検チャンネル」という動画を定期的に配信して、早期から取り組む意義を伝えています。私たちが英検取得を推奨する理由は、大きく2つあります。1つは、高校入試でも大学入試でもアドバンテージが大きいということです。先述のように英検対策は公立高校の入試対策につながりますし、私立高校では学校によっては英検の取得級に応じて入試で加点されるケースもあります。加えて、大学入試でも英検を採用する大学が増えてきています。
もう1つは、学習への意欲が高まり、チャレンジ精神が育つということです。英検は誰かと競争して合否が決まるものではなく、自分の努力次第で合格できるテストです。目標に向かって一生懸命トライする、不合格だったときには足りない部分を補強して再挑戦する、そういったことを通して、生徒は大きく成長します。たとえ不合格であっても、チャレンジしたことが素晴らしいと、目標に向かって努力したプロセスに価値があることを、生徒にも保護者にも伝えています。
英検対策としては、中萬学院の通常の授業がある程度英検に対応したものになっていることもあり、一次試験については積み上げた力を英検で試すというのが基本的なスタンスです。加えて、オリジナルの英検対策用単語集を配布し、語彙力を補強しています。ムリ・ムダ・ムラなく英語力を段階的に伸ばせるのが英検の良いところですが、なかには小学校卒業までに英検3級を受験、中学2年生で英検準2級を受験するなど、学年相応級以上にチャレンジする生徒もいます。この場合は通常の授業だけでなく学年を超えて受講できるオンラインの英検対策特訓の受講をすすめています。
一方、二次試験対策については、教室総出で担当科目に関係なく全教師が面接練習を行っています。特に、初めて英検3級を受ける生徒については、面接時のコミュニケーションの取り方やマナーまで丁寧にサポートしています。教師たちは生徒本人が納得するまで徹底的に付き合い、その結果、二次試験の合格率も高くなっています。ちなみに、中萬学院では英検に挑戦する教師や職員も多く、大人になっても英語を学び続ける姿は、少なからず生徒に良い影響を与えていると感じます。
小中高12年間の長期的視点をもち、計画的に学習を組み立てる
中萬学院では、プラチナパートナーシップを締結したことを機に、小・中学生全員を対象に、「英検プレテスト」の実施をスタートしました。生徒にはできるだけストレスなく気軽に受けてもらいたいので、「英検プレテストは、いわば英語力の定期検診のようなもの」と伝えています。英検を受けたことのない生徒にとって、英検はハードルが高いものです。英検プレテストを受けることで、そのハードルが下がり、英検にチャレンジすることを期待しています。
小学校、中学校、高校の12年間を通して、子どもたちは自分のやりたいことを見つけ、それを実現するための力を身につけていきます。中萬学院では、この12年間をどのようにデザインするかというのは、とても大切な視点だと考えています。英語についても、大学入試に備えて高校2年生で英検準1級を取得するという目標を立て、そこから逆算して、中学3年生までに英検2級取得、難しければ準2級を取得しておくといった長期的な視点で考えて計画的に学習を組み立てていくことが大事だと考えています。
時代が変わり社会の状況も生徒を取り巻く環境も変わるなか、生徒指導に携わる者として大事なのは、「自分たちは何のためにここにいるのか?」「何のための教育か?」を振り返ることだと感じています。そして、中萬学院での指導を通して子どもたちの心を育て、社会に貢献できる人を育てるという原点を忘れることなく、これからも指導に邁進していきたいと思います。