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2025.03.18 教育情報 学習塾・英会話教室での英検活用

授業にこだわり、「わかる」きっかけづくりを大切に

株式会社 ステップ
常務執行役員
小松 大輔 氏

「授業の質」にこだわり、よりよい授業のために日々切磋琢磨する

 1975年に創業して以来、私たちステップは何より「授業の質」にこだわり、力を入れてきました。現場を離れて生徒との間に距離ができると、その感覚が薄れがちになってしまいます。そうならないよう、教師は基本的には職位が上がっても、現場で授業を持ち続けます。実際現在の社長をはじめ、経営に携わるメンバーも、運営や統括といった業務をしながらも、授業を担当しています。20代から60代まで幅広い世代の教師が所属し、より良い授業を行うために日々切磋琢磨しています。

 電話勧誘や生徒紹介といった営業活動を一切しないのも、ステップの特徴です。営業に割く時間があるなら授業の準備にあてよう、生徒に向き合うための時間に使おうというのが私たちのスタンスです。質の高い授業を行なって合格実績を積み上げ、地域の信頼を得る…というのが私たちの基本的な考え方です。実際にステップの授業、教師の評判を聞いて、口コミで入塾してくれる生徒が多くいます。そして、数ある塾の中からステップを選び通ってくれた生徒たちの期待と信頼に応える手段が、授業です。これがステップの強みであり、社員の誇りでもあります。教師一人ひとりが授業にかける熱意の高さはもとより、組織としても授業に関する研修を継続的に行っています。どれだけキャリアを重ねても授業研修に参加し、日々腕を磨き続けています。

 教室の展開エリアについては神奈川県に絞り、近い将来県外に進出する予定はございません。授業の質を担保しながら、年間3〜4校、新規開校をしています。

成功体験を通して、「勉強って楽しい」「英語って面白い」を引き出す

 私たちの授業は双方向型の対面で、生徒一人ひとりの状況をしっかり見るため、中学部1クラスの定員は20名としています。勉強は、わかるようになると楽しいものです。ただ成績を上げるだけではなく、「勉強って楽しいんだ」と思って自ら学び始めるような成功体験、わかるきっかけづくりを大切にしています。小学生の授業では、ステップがオリジナルで開発した早押し機を導入してクイズ形式で授業を行ったり、中学生になってから必要となる知識の習得をスタンプラリー形式で勉強したりと、ゲーム性やエンタメ的な要素を取り入れながら、楽しく力がつく工夫をしています。

 英語の指導に関しても、「どうすれば英語に興味をもってもらえるか」を重視しています。英語は、勉強している生徒と勉強していない生徒で、その差が大きくなる教科なので、まずは英語嫌いにならないこと、英語って面白いとポジティブに捉えられるようになることを大切にしています。そのため入門期には、時にはゲームなどを交えながら、知識を楽しく習得するような授業を行なっています。

 一方、小学6年生になると、中学校への橋渡しを意識した学習へ徐々にシフトしていきます。学習指導要領の改訂により、中学1年生時点で求められる英語のレベルが上がってきており、いわゆる「小学校英語」との乖離が課題となっています。小学校ではほとんどライティングの指導をしないのに、ある程度の単語が書ける想定で授業が行われる中学校もあるため、一部授業についていけなくなってしまう生徒が出てきてしまうのです。この溝を埋めるため、ステップでは小学6年生のうちに中学1年生の学習内容がひと通り終わるカリキュラムで授業を行っています。授業を通して英語を書くことにも慣れ、中学入学後もスムーズに学習を続けられるようにしています。

英検取得で、生徒が自信をもち、チャレンジするきっかけに

 英検については、主に小学部のカリキュラムで目標として定めています。1月の第3回の英検までに、小学5年生は英検5級合格、小学6年生は英検4級合格を目標とし、楽しみながらもしっかりと英語の基礎が身につくように授業をしています。

 英検を目標に定めているのは、生徒たちに自信をもってもらうためです。例えば小6で英検4級に合格すれば、「英検4級って中学生のレベルなんだよ。すごいね!」という声掛けができ、子どもたちも英語に対してポジティブな感覚をもってくれます。そして、「もっと英語の勉強をしてみよう」と思うきっかけにもなります。実際は、英検4級に合格したからといって中学校の定期テストで必ず高得点が取れるというわけではありませんが、大事なのは「まだ小学生なのに中学レベルのテストに合格したんだ」と自己肯定感が高まることです。これは英検受験の何よりの効果だと考えています。

 一方、中学生になると、定期テスト対策や部活などで忙しく、英検を受験する余裕がなくなる生徒が増えてきます。しかし、小学生のうちに英検4級、5級を取得した生徒は、英検3級、準2級…と積極的にチャレンジする姿が見られます。以前は、英語が得意な生徒でも中学生は英検準2級まで…と考えていたのですが、最近は英検2級の合格者もステップ小中学部全体で年間500名以上出ており、こちらが限界を決めないことの大切さをあらためて実感しています。英検上位級の合格者が増えている背景としては、ステップでの授業はもちろんのこと、幼少期から英語に触れてきた生徒が増えて、リスニングを中心にその力を発揮できる生徒が多くなってきたこともあるかもしれません。

 なお、神奈川県においては、英検が公立高校入試で優遇されるケースはほぼない(一部の私立高校では取り入れられている)のですが、横浜市などいくつかの自治体では中学3年次の第2回英検を公費(無料)で受けられるという制度があります。それもあって、中学卒業までに英検準2級以上を取得する生徒はとても多くなっています。

英検受験の試金石となる「英検プレテスト」の活用を推進

 これまでは通常授業とは別のオプション講座として「英検対策講座」を開講してきました。これに加えて2024年度からは、「英検プレテスト」を実施しています。初年度は手探りではありましたが、中学生は9月、小学生は11月に実施し、塾生のほぼ全員が受験しました。小学生にとっては、1月に実施される第3回英検に向けた試金石となり、タイミング的にもとても良かったと思います。一方、中学生の場合は、9月に英検プレテストを受験すると、その結果を見てからでは第2回英検の申し込みに間に合わない…という課題が見えてきました。そこで、2025年度については、夏期講習前の7月に英検プレテストを実施し、第2回の英検への挑戦につなげる…という流れをつくりたいと考えています。

 英検協会とプラチナパートナーシップを締結したことで、英検の運営側の方々の声を聞く機会が増え、「英語学習者(生徒)のため」という同じ思いで活動していることがわかったことは、私たちとしても大変ありがたいことでした。今後は、細かいオペレーションの部分など、私たちからも意見を出させていただき、共により良い英語学習環境を整えていきたいと考えています。

 学習塾としては、やはり、学校の定期テストや入試で点数を取れるようになる指導が不可欠です。一方、生徒の将来を見据えると、英検で求められるようなより実用的でコミュニカティブな英語力も身につく指導も行うべきであると考えています。両者どちらにも対応できるようなバランスが取れた指導を、これからも実践していきたいと思います。

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