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2025.03.19 教育情報 学習塾・英会話教室での英検活用

英検を通して自信をつけることが、次の一歩につながる

株式会社 鈴鹿英数学院
中学英語Expert
国武 明宏 氏

集団の良さを最大限に活かしつつ、個に焦点を合わせた教育を実践

「水は低きに流れるが、教育は高きに流れる。高い志をもった人がその力を伸ばせるよう、補習塾ではなく進学塾をつくる」。創立60周年を迎える鈴鹿英数学院は、弊社の創業者であり代表である山本千秋のそんな強い思いから始まった進学塾です。山本の出身地である三重県で1965年に創業し、現在は、(株)鈴鹿英数学院、(株)えいすう総研、(株)エイスウからなるeisu groupとして三重を拠点に愛知、静岡、さらに東京でも教室を展開しています。

 eisu groupでは、「『個』への対応」を指導理念に掲げ、「小・中・高一貫指導体制」で生徒一人ひとりに焦点を合わせた教育を実践してきました。一方、周囲から刺激を受ける、仲間と切磋琢磨するという、集団で学ぶ良さもあります。そこで、当グループが取り入れているのが、「ハイブリッド指導」です。集団で受ける授業、個別対応の担任指導、家庭学習の3つをハイブリッド化し、集団の良さを最大限に活かしつつ個に対応した指導を行っています。なかでも力を入れているのが、担任指導です。担任の先生は生徒と定期的に面談を行い、個々の生徒の状況に合わせてフォローしつつ、学習へのモチベーションを高めています。

 また、日本の民間教育水準の引き上げを目的に、教育事業にかかわる経営者を集めた「エイスウClub」を年4回開催し、情報交換やノウハウの共有、ネットワークづくりの場を提供してきました。自塾だけが良ければ、自分だけが成功すればそれでいいのではなく、みんなで日本の教育をより良いものにしていくことが子どもたちのためになる。山本のその思いは社員にも広く浸透しており、他者と競争したり、自分の評価や利益を優先したりするのではなく、何よりもまず生徒のことを考え、寄り添う姿勢で仕事をしている社員が多いと自負しています。

『単語塾』とボキャブラリーコンテストにプレテストが加わり、より強固なシステムを構築

 山本は自身の経験から、英語に対する思いが人一倍強く、実際に英語の指導をしてきました。そのような背景から、eisu groupでは創業時から現在に至るまで英語に力を入れ、子どもたちの英語力向上をサポートしてきました。

 なかでも特徴的なのが、オリジナル教材『単語塾』です。英語教育において幅広く活動されているデイビッド・セイン氏とコラボレーションした教本で、英検5級〜準1まで準拠しています。冊子に加えてアプリもあり、生徒にはこれを使った英語語彙学習を推奨しています。そして、年2回、『単語塾』と連動したボキャブラリーコンテストを開催しており、原則として小学1年生から中学生までの全生徒が参加、高校生は希望制で参加しています。コンテストはマークシートテスト形式で、自分の英単語の習得状況が測れると同時に、英検の相当級も表示されます。目標を設定することで、英単語を覚えさせるのではなく、英単語を自発的に覚えようとする姿勢を育みたいというのが企画・運営の意図です。コンテストの入賞者は「単語王」として表彰され、広告やWEBサイトにも載るため、多くの生徒が高いモチベーションで臨んでくれています。

『単語塾』とボキャブラリーコンテストで英語語彙力を強化することに加え、英検のプレテストを利用することで、文法やリーディングについても取り組みが強化されました。英語学習や英検取得に対する意欲を高めるきっかけが増え、より強固な英語学習システムが構築できたと考えています。

英検4・5級のチャレンジキャンペーンで英検のハードルが下がり、受検者が増加!

 英検については以前から受検を推奨し、毎回、多くの生徒が挑戦しています。一方、英語が苦手な子にとっては、「落ちたくない」という気持ちから、受検のハードルが高くなりがちだという課題がありました。そこで大変ありがたかったのが、英検4・5級のチャレンジキャンペーンです。準会場受験で不合格になっても、次回(同じ準会場で同一級を受検した場合)、無料で再チャレンジができるというもので、2回チャンスがあるならやってみようと、一歩踏み出した生徒がたくさんいました。その結果、受けてみたら意外と合格できた、次の級にも挑戦してみたいと、積極的に受検する生徒が増えています。今年はプレテストも受けられ、英検受検の心理的ハードルがかなり下がったと感じています。

 eisu groupでは、「英検2級に○人合格!」のようなアピールはしていません。なぜならば、英検については、英語の得意・不得意にかかわらず、自分の力に応じてチャレンジすることを大事にしているからです。英検受検の最大のメリットは、挑戦と目標達成により自信がつくことにあります。最近の子どもたちには、「どうせ自分なんて」と自信がもてなかったり、「落ちたら恥ずかしい」とできないことを受け止めるのが苦手だったりする傾向があると感じます。誰かとの競争ではなく努力すれば合格できる英検は、一歩踏み出して「自分もできるんだ」を経験するのに打ってつけなんです。この経験があれば、次の一歩も踏み出せます。英検への取り組みを通して、勉強に積極的になれない根本的な原因である「自信のなさ」を克服してほしい。そういう意味では、英語が苦手な子にこそ、受けてほしいと思っています。

ベースとなる単語や文法の指導を継続しつつ、多様な文化や価値観を伝える英語教育を

 プラチナパートナーシップの締結を契機に、プレテストの利用を開始したことは大きなメリットだと感じています。加えて、英語教育への思いや取り組みが評価された証であり、広告・宣伝においても信憑性をもってアピールできるという側面もあります。また、2026年入試より、三重県トップの私立中高一貫校で英検の取得級に応じた加点制度がスタートします。これにより小学生の英検の受検ニーズが高まることが予想され、eisu group全体としても英語学習や英検取得への取り組みをさらに加速させるチャンスだと捉えています。

 一方、課題もあります。中学校の教科書が改訂され、いわゆるアクティブ・ラーニング型の授業が行われるようになりました。生徒によると、授業はスピーキングやプレゼンテーションが中心で、文法事項の解説や演習はほとんど行われないそうです。しかしながら定期テストは従来型のままで、単語を覚え、文法を理解していないと点数が取れないテストになっています。生徒や保護者が学習塾に求めるのは、このギャップを埋めることです。時代の流れに合わせて、学習塾でもスピーキングに力を入れた授業に変えていく必要があると考えていたので、これは誤算でした。とはいえ、これからのグローバル時代を生き抜くためには、使える英語力や異文化理解力を身につける必要があります。ベースとなる単語や文法の指導を継続しつつ、文化の違いやいろんなものの見方・考え方を伝えていくことが、これからのeisu groupの英語教育の軸になると考えています。

 先ほど、自分に自信がもてない子どもが増えていると申し上げましたが、一方で、今の子どもたちは、踏み出すきっかけさえあればどんどん進んでいける強さをもっていると感じます。大事なのは最初の一歩を踏み出すきっかけづくりであり、英検協会の協力を得ながら英検を活用し、子どもたちに成長の機会を提供していきたいと思います。

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