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2020.06.13 授業のヒント Small Talk

小・中#8-1: Guess what? 「当ててみて」(前)

It never rains but it pours. / When it rains, it pours.
全国的に梅雨入りし、ことわざとしての意味合い(良いことでも、悪いことでも、何かが起これば続けて起こる)ではなく、文字通りの「降れば土砂降り」のような天気が続いていますね。

6月も半ばとなり、臨時休校明けの多くの小・中学校で英語の授業が始まったと伺っています。ただ、「児童生徒が向き合わないようにしている」、「英語の歌はやめている」、「教室を動き回って対話することはしない」・・・など、様々な対策がとられているとか。

「英語はコミュニケーションが大切なのに、それができないなんて」、「Small Talk など『やり取り』の言語活動はどうすればよいのだろう」と、先生方もいろいろと思案されています。

確かに、(児童生徒の席の間隔により)「向き合って話をすることが難しい」のであれば、なかなか「ペアでやり取りしてみよう」とか、「グループで話し合ってみよう」という活動を取り入れることも躊躇ってしまいます。

こういう時期だからこそ、これまでこの「Hands-on Small Talk」で重視してきたように
指導者と児童生徒とのやり取り、や、
● 指導者や、他の児童生徒の発話をしっかりと聞き、それを踏まえて自分の気持ちや考えを述べる(発表する)こと、など
の充実に取り組むことができそうです。

今回は、児童生徒が横向きに並んで座っていても行えるような「やり取り」を考えてみたいと思います。「Guess what?(当ててみて)」というクイズ形式です。こうした活動では、児童生徒が相手にヒントを見せないように一生懸命に隠そうとするので、自然と互いの距離が広がったりします・・・。

【展開例1】

最初の展開例では、「先生のペンケースの中にあるもの」を推測しながら、やり取りに必要な表現に慣れ親しんでいきます。

T:   I have many things in my pen case.   Do you want to see them?  
      Well, before that, 
 ask me, “What do you have in your pen case?”
     Repeat after me, “What do you have in your pen case?”

Ss:   What do you have in your pen case?
T:    Again, “What do you have in your pen case?”
Ss:   What do you have in your pen case?
T:   Well … I have some pencils.   ③ How many pencils do you think I
      have?  How many pencils in my pen case?

Ss:   Two! Three! Five!
T:   OK.   Many ideas.    Let’s count together!  Look!(鉛筆を1本見せ
   る)One,(2本目を見せる)two, … five!
〈Ss count the pencils together with T.〉
T:   I have five pencils in my pen case.    Who said, “Four”?  [Who guessed right?]   Raise your hand!  Well done!

① “What do you have in your pen case?” という表現を導入(確認)するために、“Ask me.”「先生に~と聞いてみて」と児童に促す形をとっています。

② 新たに導入した語句や表現をリピートさせるときには「2回ずつ」を意識しましょう。1回だけでは、児童生徒の意識がしっかりと向いていないことや、音声が十分に聞き取れていない可能性もあります。

③ まずは「数を推測」させる問いかけをします。”how many pencils” のまとまりを繰り返して聞かせるために、問いのフレーズを言い直しています。

④ 児童生徒の推測に続いてすぐに答えを聞くのではなく、特に小学校では「数を言う」練習を取り入れたいものです。指導者と児童生徒と一緒に数を数えながら、答え合わせを行っています。

⑤ 推測が当たった児童や生徒を褒めて、積極的に聞いて考えようとする動機づけを高めます。推測が外れた児童生徒にも、Good luck! / Do your best! などと励ましの言葉を添えましょう。

T:   Next, I have a stapler in my pen case.    What color do you think it
      is?  What color is my stapler? What do you think, S1.

S1:   Blue.
T:   Oh, you think it’s blue.   OK. I’ll ask some more.    How about you,
      S2.  What color do you think my stapler is?

S2:   Pink.
T:   You think it’s pink.   Anyone who thinks it’s pink, raise your hand! …
      One, two, three, … six people? I see. Then, what do you think, S3?

S3:   Black.
T:   You think (it’s) black?  All right.   Let’s see … (ホッチキスをゆっくり取
      り出しながら)  …  What color?
Ss:   Blue!
T:   That’s right.   I have a blue stapler.  Well done, S1 and others who
      thought it was blue.

⑥ 次の推測は「色」です。③と同様に “what color” を何度も聞かせるために、問いかけを工夫しています。

⑦ 教室で活動すると、児童が一斉に答えを叫んでしまうことがあります。そのような中でも、児童生徒に「一人ずつ話す」経験をさせるために、指名をうまく取り入れるようにしましょう。

T:   So, now you know I have five pencils and a blue stapler in my pen
      case.   
 What else?   Ask me!
Ss:    What [else] do you have in your pen case?
T:    I have … something elastic … soft … . (弾力性があるジェス
   チャーを指で示す) I use it when I made a mistake in my writing.   I
     want to rub off with it. 
(何かをつまんでこするジェスチャー) What’s
     this?  Guess what?

Ss:   Eraser!
T:   That’s right!   I have an eraser in my pencil case. (取り出す) Look!

⑧ 最初に導入した疑問文 “What do you have in your pen case?” を思い出させるための指導者の問いかけです。“Ask me!” という表現は、授業中で効果的に用いることができます

⑨ 「3ヒントクイズ」のように、答えの手掛かりを英語で与え、”What’s this?” と推測させるようにしています。表現が難しい場合はジェスチャーをうまく取り入れましょう。

T:   By the way,  what do you use when you want to measure the
   length of something? 
(長さを測るジェスチャー) Guess what?
Ss:   Ruler!
T:   Yes, you use a ruler when measuring (the length of something).I also have a ruler in my pen case.    What else? …

⑩ 上の⑨と同様にクイズ形式ですが、少し複雑な疑問文を用いています。毎回「3ヒントクイズ」を繰り返すのも単調な活動となってしまいますので、推測を促す問いかけにも変化を取り入れたいものです。

このように、まずは指導者が児童生徒を前に、やり取りに必要な語句や表現を用いながら、様々な問いかけをしていきます。大切なのは、答え方を「文の形」で聞かせること。児童生徒が単語で答えても、続けて「文」に言い直しておくようにします。

既習表現を用いた “Guess what?” 活動。次回も児童生徒同士、ペアで行えそうな展開例をご紹介します。

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