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2020.04.10 授業のヒント Small Talk

小・中 # 1-1: Spring has come! 春が来たよ!(前)

Small Talkってどうしたらいいの?

児童生徒の発話を引き出す問いかけって?

ここでは、今日の授業ですぐに使える実践例を毎週トピックとともにご紹介します。

小学校5、6年生から中学校はじめまでに学習する表現を使った児童(生徒)とのやり取りの例です。

今回は、まさに今の季節である「spring(春)」という季節をトピックに、対話を展開してみましょう。

大切なのは、単に「季節について話す」のではなく、「in spring(春だからこそ)」というこだわりを入れることです。児童生徒が自分の考えや気持ちを伝え合えることを目指しましょう。

児童に使わせたい表現を意識して教師自身の言葉で語りかける

まず、教師自身が、spring(春)について感じる気持ちや、春だからこそしたいことについて語ります。その際、既習表現や新出表現などを意識して、児童生徒に使わせたい表現を取り入れながら、児童生徒に語り掛けることが大切です。未習表現は既習表現で置き換えて聞かせるとよいでしょう。

Spring has come!

It’s spring now.

Spring … spring, summer, autumn, winter, and spring again.

I like spring.

The weather is nice in spring.

It’s warm – not cold, not hot, but warm.

And we can enjoy beautiful flowers in spring.

We have many cherry blossoms in Japan. They are gorgeous.

I usually enjoy “ohanami” with my family and friends in spring and eat “ohanami bento.”

It’s delicious.

This year I didn’t enjoy “ohanami” due to the coronavirus epidemic. [This year, no “ohanami” because of the coronavirus epidemic.]

It was sad.

But I want to enjoy hiking in spring.

I want to go to the mountains.

We can see fresh green of the trees.

発話モデルに「意図的に含めた表現」と「使わせたい表現」を解説していきます。

[発話モデルに意図的に含めた表現]

[トピック提示]

今回のトピックである「spring(春)」について提示します。
Spring has come!
It’s spring now.

[springの意味理解]
springは「春」の意味であることを、「夏、秋、冬、そして、また春が来る」と、季節を表す語を使って表現することで理解を促します。
Spring … spring, summer, autumn, winter, and spring again.

[warmの意味理解]
warmが「暖かい」の意味であることを、not cold(寒くない)やnot hot(暑くない)と言い換えることで理解を促します。
It’s warm – not cold, not hot, but warm.

[感想、気持ち]
「It’s delicious.(おいしい)」と自分の気持ちを表現します。
It’s delicious.

[感想、気持ち]
「It was sad.(残念だった)」と、お花見ができなくて残念だった気持ちを伝えます。
It was sad.

[使わせたい表現]

・「I like(〜が好き)」や、「The weather is(天候[天気]が〜である)」を使って表現します。
I like spring.
The weather is nice in spring.

・「We can(~することができる)」「We have(日本には~がある)」「I usually(ふつう~する)」という表現を使えるようにします。
And we can enjoy beautiful flowers in spring.
We have many cherry blossoms in Japan. They are gorgeous.
I usually enjoy “ohanami” with my family and friends in spring and eat “ohanami bento.”

・「This year I didn’t(今年は~しなかった)」を使って表現します。
This year I didn’t enjoy “ohanami” due to the coronavirus epidemic. [This year, no “ohanami” because of the coronavirus epidemic.]

 ・「I want to(~したい)」「We can(~することができる)」を使って自分がしたいことやできることを表現することを目指します。
But I want to enjoy hiking in spring.
I want to go to the mountains.
We can see fresh green of the trees.

児童生徒の発話を踏まえて、話題を広げる

このような発話のモデルを提示したら、次は教師と児童生徒の1対1でやり取りをします。

応答した児童生徒の発話を踏まえて、別の児童生徒との対話を発展させ、次の3つの展開例のように、話題や使える表現の幅を広げていきます。

以下、Tは指導者、Sは児童を表します。例えばS1は「児童1」、S2は「児童2」です。

【展開例1】S1にトピックである「春」が好きかどうかを尋ねる

児童が単語で答えたら、文の形に言い換えて繰り返しましょう。
児童の発言に対し、常に“Why? ”と質問を続けるのではなく、内容を受けて表現を工夫する意識を持ちたいものです。

ここでは、「お花見は好きではないが、春は好き」という児童の発話を踏まえ、具体的に「春の何が好きか」を具体的に引き出す問いかけをしています。
ですが、児童に具体例が浮かばなかったため、例を挙げて「それらが好きかどうか」を尋ねることにしました。児童が「何も答えられなかった」という状態で終わってしまわないように、幅広い質問から具体的な質問へと答えやすくする工夫をしています。

T: How about you, S1? Do you like spring?

S1: Yes.

T: Oh, you like spring too. I like “ohanami.” Do you like “ohanami”?

S1: No.

T: You don’t like “ohanami”? Why?

S1: It’s not interesting.

T: I see. Really? But [you said] you like spring. What do you like in spring?

S1: ….

T: Do you like flowers, beautiful weather, “sakura-mochi”, … ?

S1: I like “sakura-mochi.”

T: Wow, me too. It’s delicious. Thank you, S1.

【展開例2】モデルで述べたTの好きな春の食べ物を繰り返し、S2に「春に好きな食べ物」を尋ねる

児童の発話を踏まえ、既習表現を用いて対話を発展させます。
ここでは、“We can enjoy ~ in spring. ”という表現で「いちご狩り」に話題を広げ、「好きかどうか」「やってみたいかどうか」を尋ねています。

T: Hi, S2. I like “ohanami bento.” What food do you like in spring?

S2: I like strawberries.

T: Oh, strawberries! Me, too. We can enjoy strawberry picking in spring. Do you like strawberry picking?(いちごを摘むジェスチャーを見せる)

S2: …. やったこと・・・ない。

T: I see. So do you want to enjoy [try] strawberry picking?

S2: Yes, I do.

T: Good. It’s very exciting. Thank you, S2.

サムネイル画像2-3

【展開例3】S2が答えた「春にやりたいこと」を引用して対話を始め、S3に「春にしたいこと」を尋ねる

前の児童が春にいちご狩りがしたいと答えたのを受けて、S3には「春に何がしたいか」をWhat do you want to do in spring? という幅広い質問の表現を用いて「春に何がしたいか」を尋ねます。

その後、同じくいちご狩りがしたいと答えたS3に、いちごに関係して「いちごの花が好きか」という質問を続けます。しかし「分からない(見たことがない)」と答えたので、今度は「春の何の花が好きか」、「その花の何色が好きか」と、関連する詳細な情報を引き出す質問を続けて対話を発展させています。

T: Hello, S3. S2-san said she wants to enjoy strawberry picking. (How about you?) What do you want to do in spring?

S3: Strawberry picking.

T: You also want to enjoy strawberry picking. [Oh, you can go with S2-san.] Why?

S3: I like strawberry.

T: Oh, you like strawberries. Do you like sweet strawberries?

S3: Yes, I do.

T: I like sweet strawberries too. By the way, do you like strawberry flowers?

S3: Strawberry flowers? I don’t know.

T: White flowers. Then, what flower do you like in spring?

S3: … Tulips.

T: Yeah, tulips are gorgeous. What colour of tulips do you like?

S3: I like … red.

T: You like red tulips! Beautiful. I like yellow tulips. Thank you, S3.

サムネイル画像3-3

このトピックで、ほかにどのような対話の展開例が考えられるでしょうか。

続きは次回(4月14日更新予定)にてご紹介します。

既習表現を生かしながら、児童の言いたいこと、伝えたいことを引き出せるような指導者からの問いかけを工夫することが大切です。

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