児童A: What’s your favourite subject?
児童B: My favourite subject is math. [I like math.] How about you?
児童A: My favourite subject is music. [I like music.]
スモールトークの中で既習表現を繰り返し使用して定着させるには、児童が、様々なトピックについて伝えたいことを表す表現を、既習事項の中から自分で引き出せることが必要です。「この表現を使えば伝わる!」という表現を児童自身で選択することにより、「自分が英語でできること」を意識化させることができます。それこそ「Can-Doリストの形での学習到達目標」を一つずつ達成して “I can ~!” を積み重ねていく英語学習が目指すところです。
対話を続ける方略としては、相手の発話に対する感想を言う、内容を確認するために発話を繰り返したり聞き返したりする、質問をすることなどがあります。上記【目的1】と同様、ここでもまず指導者同士、もしくは指導者と児童のやり取りを通して、実際に対話が継続する場面のモデルを聞かせることを大切にしましょう。そして、必要に応じて「先生は今なぜ Oh, you like baseball! と言ったのかな?」、「That’s nice. と言ってもらって、どんな感じがしましたか?」のように児童に問いかけ、対話を継続する方略の機能を考えさせることも効果的です。さらに対話練習の間で行う中間指導において、方略や工夫の良い例をクラス全体で共有し、その後の練習で活用できるよう意識させることもできます。
【① 指導者によるモデル提示(下線部は既習表現の例)】
指導者: I enjoyed watching baseball last night. I’m a member of the baseball club. I practice baseball every weekend, but I can’t play it very well. I want to be a good baseball player. I like baseball very much.
【② モデルを続けて行う児童Aとの対話】
指導者: How about you, A. What sport do you like?
児童A: I like tennis.
あるいは
指導者: How about you, A. Do you like baseball?
児童A: No, I don’t.
指導者: I see. What sport do you like?
児童A: I like tennis.
【③ その後の発展パターン】
(1) 同じ児童Aに対して、別の既習表現の理解と発話を促す
指導者: Can you play tennis well? [Are you good at (playing) tennis?]
児童A: Yes, I can! [Yes, I am.]
(2) 同じ児童Aに対して、直前の発話の内容を深める(詳細を補う)発話を促す
指導者: Why (do you like tennis)?
児童A: (Because) I can run fast. It’s exciting.
(3) 別の児童Bにも児童Aへの最初の問いを繰り返し、特定の表現(I like ~. / Do you like ~?)の理解と発話を促す
指導者: How about you, B? What sport do you like?
児童B: I like table tennis.
(4) 別の児童Bに対してそれまでの児童Aとのやり取りを踏まえた問いを続け、内容を発展させる
指導者: How about you, B? Do you like tennis?
児童A: No, I don’t. I like table tennis.