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2020.09.11 授業のヒント Small Talk

“Hands-on Small Talk” スモールトーク【小・中学校編】W20-1: “What is your dream?”「将来の夢は?」(前)

「夢」について伝えよう

日本語ではよく「将来の夢」のように future の意味合いを添えて表されることが多い dream という語。英語では(寝ているときにみる「夢」とは別に)「叶えるのが難しいような願い」も含めた「夢」を意味します。
今回は、この「夢」をトピックに、Small Talk の展開例をみていきます。そして特に、生徒が「自分の」意見や考えを伝えるときに、相手に分かりやすく、説得力をもって伝えるために、どのような情報(理由、詳細など)を添えることができるかを気づかせる「支援」について考えてみたいと思います。

1.まず既習表現を用いて即興的な問いかけを

生徒の様子を見ながら、問いかけ、発話を引き出していくのが先生の役割のひとつでもあります。
今回の「夢」のトピックは、中学校では恐らく何度も扱われるものです。”What do you want to be in the future?” も、音声では慣れ親しみのあるものでしょう。即興的に、生徒にたずねてみます。

T: What do you want to be in the future?
Ss: Florist. / Police officer. / YouTuber. / Scientist. /
T: You have wonderful dreams. Great.

生徒からさまざまな「将来就きたい職業」が出てきました。生徒がどんどん「将来就きたい職業」を挙げてくれることで、「職業を表す英語」の復習を兼ねています。

ここでちょっと余談ですが ・・・ 学校現場では、“What do you want to be in the future?” を「将来の職業をたずねる表現」というラベルをつけて指導することが多いように思われます。
実は、私はずいぶん前に、イギリス人の友だちのお父さんに、

What do you want him to be in the future?

とたずねたことがあります。もちろん「彼に将来どんな職業に就いて欲しいですか?」の意味でした。
するとそのお父さんは、次のように答えてくださいました。

Happy.

それから今まで、小学校や中学校で “What do you want to be in the future?” とたずねてきましたが、まだ一度も “Happy!” という答えを聞いたことはありません。笑顔でこう答える子どもに出会えるのが、とても楽しみです。

2.先生が自分のことについて伝える《モデル提示》

続いて、いつものように先生が、トピックに関連して生徒に使って欲しい語句や表現を取り入れながら、モデル発話をします。

サムネイル画像2-Aug-12-2020-11-00-18-12-PM

T: When I was small, I wanted to be a cartoonist , well, manga artist. I enjoyed drawing manga in my free time. I was not good, but I wanted to draw my original manga. Even now, I like manga very much. I enjoy reading them. Still … I want to be a cartoonist. … Do you like manga, S1?
S1: Yes.
T: You like manga too. Do you like drawing manga, reading manga, or both?
S1: Read manga.
T: Oh, you like reading manga. What manga do you like the best? …

ここでは、先生が「子どもの頃、漫画家になりたかった」ことについて、理由を添えて伝えています。
その後、せっかく「漫画」についての話題になっているため、S1 に「漫画が好きかどうか」たずねてみました。この Small Talk のトピックである「夢」をすぐにたずねてしまったのでは、先生が伝えた「内容」が生かされません。常に「今、英語で伝え合っている内容」を生かして対話を発展させることを意識します。
生徒の単語レベルでの返答には、「文の形」で整えて言い直しておくことを大切にします。

3.トピックである「夢」について生徒にたずねる

その後、いよいよトピックについて S1 から引き出します。
上のモデル提示の中で、先生が “I want to be a cartoonist.” という表現を用いているため、この表現を思い出して使えば質問に答えられるように問いを調整します。

T: Oh, you like reading manga. Its very interesting. Then, S1, what do you want to be in the future?
S1: I want to
soccer player.
T: You want to be a professional soccer player? Cool.

生徒が「サッカー選手」と答えたところで、先生が「文の形」として be を補って聞かせています。

4.詳細を引き出してみる

プロサッカー選手であれば、①どのチームでプレーしたいかについて、詳細を引き出しています。具体的なチーム名が出れば、②「どうしてそのチームか」を生徒が考えながら話せるように “Why?” をさらに続けています。

T: What team do you want to play for?(①)
S1: XYZ
T: Oh, thats my favorite. Why do you want to play for this team?(②)
S1:
強い …
T: Yes, its a very strong team.

さらに、③夢を叶えるために何をするか(どのような努力をするか)もたずねてみました。
「夢を叶える」は、この他にも “to achieve your dream” や “to realize your dream” が使えます。

T: What are you going to do to make your dream come true?(③)
S1: I practice.
T: You practice soccer every day? Good luck!

①②③のような生徒の発話の詳細を引き出す問いは、もちろんトピックによって「どのような視点から」問いかけるとよいかが変わってきます。
ここでは「サッカー選手になりたい」と答えた S1 が、もし「将来就きたい職業」についてスピーチをするとしたら(相手に分かりやすくするために)含めて欲しい情報にはどのようなものがあるかをイメージして先生がたずねています。このイメージを理解し、問いの意図に気づかせるのが、先生の「支援」の力です。

サムネイル画像1-Aug-12-2020-10-32-06-79-PM

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