前の記事(W18-1, 2)では、「お気に入りのもの」をトピックとして Small Talk の展開を考えてみました。
特に “favorite” という形容詞を用いて
What is your favorite room in our school? (学校であなたがお気に入りの部屋はどこですか?)
My favorite room is the music room.(私のお気に入りの部屋は音楽室です)
のようなやり取りも扱いました。
そして「好きなもの」を表す表現として、今では小学校英語教育でも “What fruit do you like?” “I like apples.” という動詞 “like” を用いた表現だけでなく、”What is your favorite fruit?” “My favorite fruit is watermelon!” の形も広く取り入れられていることに触れました。
ここで先ほどの2つの文 “I like blue.” と “My favorite color is blue.” を見てみます。確かに、ほぼ同義として用いられている場合もありそうです。ただ中学校後半くらいになったら、“language awareness”(「言語意識」=言語の性質についての気づき)を高めるうえでも、用いる文脈を工夫して違いを感じられるように丁寧に扱うこともできそうです。
1 S1: Hi, S2. What fruit do you like? 2 S2: I like strawberries. … I like sweet strawberries. 3 S1: Oh, strawberries. I like them [strawberries] too. … Sweet. 4 S2: Yes, sweet. Delicious. 5 S1: * What fruit do you don’t like? ( *は「非文」を表す) 6 S2: Kiwi … I don’t like kiwi fruits.
“What fruit do you like?”(どんな果物が好きですか?)とたずねることのできる生徒であれば、「好きな果物は聞いたから、今度は好きじゃない果物を聞いてみよう」と思った時に、”What fruit do you … ” までは口を突いて出ます。ただそこで、「好きじゃない果物」をたずねることを意識して、自分が「好きではない(苦手な)果物」を伝える時に “I don’t like ~.” という表現を使うことを思い出して … 上の質問のようになってしまうのではないでしょうか。
相手の「好きではない(苦手な、嫌いな)果物」をたずねるとき、次のような表現を使います。
Is there any fruit you don’t like?
答えは “I don’t like ~.” で大丈夫です。
一方、日本語で「どんな果物が苦手ですか?」とたずねるのだから…と what から始まる疑問文を使おうとすると、こうなります。
What is the fruit you don’t like?
What fruit do you dislike?
What fruit do you hate?