中・高 Week 11-1: What subject do you like? 好きな教科は何ですか?(前)
今回は生徒たちにとって極めて身近な話題、「教科」について話します。話題が身近な場合は、「仕掛け」は比較的簡単になります。前編の今回はシンプルに、リズム良くやれるSmall Talkを紹介します。
【展開例】 太字部分の質問は、ペアでお互いに質問させます。
T: You learn various subjects in school, such as math, Japanese, English, social studies, science and PE, physical education. What subject do you like the best?
– What subject do you like the best? Why?
T: S1, what subject do you like the best?
S1: I like science the best.
T: Why? Why do you like science the best?
S1: Why? Hmm, I just like it.
T: O.K. How about your partner? What subject does he like the best?
S1: He likes English the best.
T: Why does he like English the best.
S1: He likes English because he loves English songs.
What subject do you like the best? という質問は生徒にとって、使い慣れた、全く負荷のかからないものなのですが、それによって生じるやりとり、つまり教科の内容について話すことは、生徒たちにとって意味あることです。好きな教科、得意でない教科について考えることは、自分自身を考えることにつながるからです。
多くの場合、There’s no accounting for tastes. の言葉どおり、「なぜ好きか?」という質問は実は答えづらいものです。S1のように答えられる生徒は実際にはほとんどいません。生徒が答えに詰まっている場合は教師側がYou just like it? などとフォローしてやる必要があるでしょう
T: Now, what subject do you find difficult?
— What subject do you find difficult?
T: S2, what subject do you find difficult?
S2: I find math difficult.
T: How about your partner? What subject does she find difficult?
S2: She says she finds science difficult.
これまでにも触れてきているとおり、第5文型の文、とくにfindを用いた文は、実際のコミュニケーションの中で「使って」、定着を図る必要があります。好き嫌いについて話すときはそのチャンスです。今回は内容も身近なものなので、生徒たちは抵抗なくfindを使ってやりとりをしてくれると思います。
Now, what subject do you find easy? I hope you have some subjects which you find easy.
– What subject do you find easy?
T: S3, what subject do you find easy?
S3: No subject is easy. I find no subject easy.
T: O.K. What subject does your partner find easy?
S3: She finds math easy.
T: That’s great. I don’t find math easy. Actually, I find math very difficult.
今度は最後の単語を変えただけの質問をさせてみました。findを用いた文をより多く使わせたいこと、談話の流れとして自然であることを考慮した判断です。
Small Talkはこの「談話としての自然さ」を重要視する活動です。展開を考えるときには大いに頭を悩ませられる部分ですね。生徒が英語で話していることを忘れるぐらいの自然なSmall Talkをしたいものです。教師としての力の見せどころですね。
今回は、シンプルな展開を紹介しました。先生方なら、「教科」をめぐってどのようなやりとりをすることを考えますか? 次回は、これらのやりとりにさらに多くのことを加えた展開を紹介します。