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2020.07.08 授業のヒント Small Talk

小・中#11-2: It’s hot today.「今日は暑いですね」(後)

前回から、“It’s hot today!” (今日は暑いですね)と指導者が発したことばから、Small Talk の展開を考えています。継続的に行う言語活動だからこそ、「今日はここがポイントだな」という、考えをまとめる視点を工夫することを大切にします。

小・中#11-1: It’s hot today.「今日は暑いですね」(前)

キーワードが “hot” であれば、“Do you like hot weather?” と好き嫌いを児童に尋ねていくと、「暑さが得意or苦手」の二者択一で話が進んでしまいがちです。そこで前回は、指導者のモデルを次のように組んでみました。

T: It’s hot today.  The weather forecast says it will reach 32 degrees Celsius this afternoon. I don’t like hot weather. It makes me sweat. I easily get sweaty. Well, I don’t like hot weather, but I like summer. I like camping and summer is the best season for camping.

“I don’t like hot weather, but I like summer.” (暑い天気は苦手だけど、夏は好きだよ)と伝えることにより、「暑さが得意 or 苦手」✕「夏が好き or 苦手」の4通りに児童の回答の可能性を広げ、「自分の場合はどうだろう・・・」と考えるおもしろさを加えてみました。
「○○さんは、暑いのも好きだし、夏も好きなんだな」、あるいは「△△さんは、暑いのは好きだけど、夏は好きではないんだな・・・、なぜだろう?」のように、聞き手も興味が高まります。

その後の展開として、前回は「hot weather が好き」という児童には “What do you enjoy in hot weather?” とhot weatherの楽しみ方を詳しく引き出したり、「summerが好きではない」という児童に “What season do you like?” と尋ねるなど、既習表現を用いて児童の回答を内容的に発展させる例を考えました。

今回は、児童が用いる表現について、さらにもっと明確なねらいをもって、やり取りを発展させてみます。

【接続詞and / but を意識させる】

せっかく「暑さが得意/得意ではない」と「夏が好き/好きではない」とといった2つの視点から児童が思いを伝えるのですから、それぞれの視点についての思いの関係性を明確にした方が、聞き手に伝わりやすくなります。

例えば、先の指導者の例にある

I don’t like hot weather, but I like summer.

の他にも、

I like hot weather, and I like summer.

I like hot weather, but I don’t like summer.

I don’t like hot weather, and I don’t like summer.

といった表現が可能です。

一方、「夏は暑いものだ」という理解を共有する対話参加者の間では、次の文は不自然に聞こえるかもしれません。

I like hot weather, but I like summer.

I don’t like hot weather, but I don’t like summer.

また、次の例は and を挟んだ2つのこと(命題)が両方成り立つのはなぜか、話し手にさらに質問してみたくなります。

I like hot weather, and I don’t like summer.

I don’t like hot weather, and I like summer.

このように、and と but を用いて、「2つのことについて」児童が自分の思いを聞き手に分かりやすく伝えられるようになることを目指しながら、指導者がやり取りを導いていきます。

T:  So, I don’t like hot weather, but I like summer.  How about you, S1?   Do you like hot weather?

S1:  No.

T:  You don’t like hot weather.  Me neither.  Then, do you like summer?

S1: No, I don’t like summer.

T: I see.   You don’t like hot weather, and you don’t like summer.  You don’t like both.   Who has the same answer?  “I don’t like hot weather, and I don’t like summer.”   Raise your hand. … One, two, … more than ten!  OK, how about you, S2?  Do you like hot weather?

S2: Yes.

T: You like hot weather?  How about “summer”?  Do you like summer?

S2: Yes, I do.

T: So, you like hot weather, and you like summer too.  Does anyone say the same?  “I like hot weather, and I like summer.”  Raise your hand!  …  I see.  How about you, S3?  Do you like hot weather?

S3:  I like hot weather.

T:  You like hot weather.  Then, do you like summer?

S3:  No.

T:  No.  You like hot weather, but you don’t like summer.  Then, what season do you like the best?

上の例では、できるだけ児童から様々な回答パターンを引き出したいため、1つ文が完成すると、クラス全体に同じ回答の児童がいるかどうか確認しています。この場面は、指導者が提示した and もしくは but を含む文をしっかりと聞き、自分の思いと同じかどうかをじっくり考えて判断できるようになるためにも重要です。
確認が終わったら、それまでに出た文とは異なる重いがある児童を指名しながら、他の文を引き出しています。

この後の発展は、例えば

I like hot weather, and I like summer.

I like hot weather, but I don’t like summer.

これらのようなどちらかの視点の思いが異なる児童をペアにして、互いに自分の思い全体を共有しながら、理由を伝え合う活動などが考えられます。

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今回は、2つの質問(Do you like hot weather? / Do you like summer?)に対する児童の回答を接続詞を用いて関連づけ、その意味的な違いとおもしろさを感じさせることを「ねらい」とした流れとしてみました。

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