せめて毎回1分くらいずつ時間が前後していれば、同じ “thirty-eight” ばかり練習することにはならないのに(でも授業はだいたい同じテンポで始まるので、そんなに時間はずれない)・・・と思いながら授業を観ることも多いです。 この時の児童が、「How’s the weather? の次にいつも聞こえる質問だ」のように一連の疑問文の順番だけで何を尋ねられているかを察して答えているのか、それともきちんと英語の疑問文を聞き取って内容を理解して答えているのかはなかなか分かりません。そのため上で記したように、この “What time is it?” は、授業の中で指導者から児童に、何か豊かな意味をもって投げかけられる「問い」(発問)というよりも、単なる質問(疑問文)という印象が強いです。
そのような中で指導者ができることは、機械的な「疑問文とそれに対する回答」の繰り返しだけで終えない、ということです。今回のテーマである “What time is it?” も、小学校の英語学習の早い時期に、音声のまとまりとして耳から慣れ、単語レベルに分解することなく聞いて意味が分かり、発することができる疑問文のひとつです。
指導者がその疑問文を投げかけた時に児童が反応できるようになった、さらに「時間を尋ねてみて?」と聞くと “What time is it?” と答えられるようになった段階で終わっては少し早いように感じます。「あ、ここで “What time is it?” と尋ねることができるな!」と児童が気づいて使う経験まで、あと少し活動を広げていきたいものです。
【活動例1】
授業ではALTとの対話などを通して指導者がまず “What time is it?” “It’s ….” の表現を提示し、それを発音しながら、音声で慣れ親しむことから始まります。時間を尋ね合う活動は、数字の言い方の学習と重ねて行われることも多いため、時計の実物を使いながら、それが表す時間を “It’s ….” と即座に英語で言ってみる活動も行われます。 1から60の数字は数としては多いですが、“July twelfth” のような序数を含む日付とは異なり、数字をそのまま言えばよいという点で、取り組みやすい活動と言えます。
T: OK. Look at this clock. What time is it?
Ss: It’s eleven fifteen.
T: Well done. It’s eleven fifteen. Then, how about this? What time is it?
T: Yes, it’s seven thirty. What do you usually do at seven thirty on Sunday mornings, … S1?
S1: … sleep?
T: Oh, you’re still in bed at seven thirty on Sunday mornings. Good! We need to have a good sleep after a busy week. Thank you, S1. Look at this clock again. Well, what about this? What time is it, S2?
S2: It’s five twenty.
T: That’s right. It’s five twenty. What do you usually do at five twenty in the afternoon?
S2: Game ….
T: Games? Video games? (ジェスチャーで示す) Oh, you enjoy (playing) video games! Sounds fun. What game do you like? …