World Englishes や Global Englishes という用語を見たり聞いたりしたことがおありでしょうか。
これは、世界中で使われている “English” が単に母語話者のものだけでなく、様々な位置付けで、様々な人々に用いられている「英語」があるという考え方で、“Englishes” と複数形になっています。
「国際共通語としての英語(ELF)」の分かりやすさ
前回、様々な国の人々が交流する場面で用いられる「国際語としての英語(English as an International Language: EIL)」から少し発展した、「国際共通語としての英語(English as a Lingua Franca: ELF)」という考え方をご紹介しました。
①語頭の子音は必ず発音する(crispのcを落とさない)
②語中や語尾の子音は、ごく限られた場合を除いて脱落させない(factsheetがfacsheetと発音されるのはよいが、fartsheetやfacteetはよくない、scriptsはscripsならよいが、scritsやscriptとなるのはよくない)
③(1, 2 に対して)「外国語としての英語(English as a foreign language: ELF)」の場合には、filmのlmの部分のような子音連結において、lの後に母音を挿入して発音していても問題ない
語のまとまりの中で主要な強勢は大切にする(Ian McEwanの小説“Amsterdam” の例文 You deserve to be sacked では sackedに強勢がある場合〔クビに値するほどだ〕と、deserveに強勢がある場合〔もうクビだ〕では意味が異なる)
〈Jenkins, J. (2015). “Global Englishes.”3rd Ed. Routlegde. p. 91〉