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2024.01.22 教育現場より 学校での英検活用

IB認定校ならではのカリキュラムに英検IBAを活用し、生徒の成長分析に役立てる

さいたま市立大宮国際中等教育学校
Brad Semans先生

国際的な特色ある公立校をめざし、2019年に開校

 本校は2019年に開校した完全中高一貫校です。公立校としては珍しい国際バカロレア(IB)認定校であり、中学1〜3年生向けのミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)と、国際的に通用する大学入学資格を得られるディプロマ・プログラム(DP)を提供しています。
私は日本で22年ほど英語教育に携わっており、埼玉県教育委員会に在籍していたときに本校の開校準備に関わりました。また開校後はIBコーディネーター、DPコーディネーター、英語科教員として、カリキュラムの開発や改善に取り組んでいます。

 IB認定校である本校は、IBのプログラムに合わせた国際的な学習環境を整えています。従来の3学期制ではなく2学期生で、授業は1コマ100分。定期考査は行わず単元ごとの評価課題で成績を評価しています。また従来的な部活動ではなく、クラブアクティビティという形で、生徒は年に3回のタイミングで好きな活動を行うことができます。

 生徒募集は1学年160名ですが、英語が好きな子や得意な子は半分ほど。残り半分は英語というよりは本校のオリジナリティの高い学習環境に魅力を感じて入学してきます。本校はいわゆる大学受験対策を行わない学校なのですが、IB校であることから、将来は国連などの国際機関などで活躍し、「世界を良くすることに貢献できるようになりたい」という志を持つ生徒の入学が多いと感じています。

IBのプログラムに基づき独自に開発したグローバル・スタディ

 英語科には16名の教員が所属しています。うち10名が日本以外の国籍で、教員試験を経て正式採用されています。本校では私たちネイティブ教員は、日本語を一切話さないルールになっています。
 英語の授業としては、中学1~3年生は週4時間グローバル・スタディという授業を行っています。これはIBのMYPと、さいたま市が独自で作ったグローバル・スタディというカリキュラムをマッチングさせたものになります。カリキュラムは綿密に組み立てられており、単元ごとにテーマや学習スケジュール、身につけるべきスキルや学習到達度を示す評価基準を明記したシートを作成し、それに基づき授業を行っています。
 例えばスピーキングがメインとなる単元でしたら、ディベートが最終的な評価になるため、動画や資料を見て自分の考えをまとめ、ディベートの準備に向けディスカッションもします。もちろんリーディングやライティングがメインとなる授業もあり、4技能を偏りなく伸ばすよう取り組んでいます。
 また中学1年〜高校1年まで週2時間、English Inquiryという科目名で英語以外の授業を英語で行うイマージョン授業も行っています。こちらもオールイングリッシュの授業ですが、英語力ではなく、コミュニケーション力や粘り強く学ぶ姿勢や計画性を評価する授業となっています。

英検IBAを全員受験し、生徒の能力把握に務める

 本校では卒業までに生徒全員が少なくとも、CEFRでB2以上の英語力に到達することを目標としています。また英検に関しては英検IBAを中学校で全員受験しています。IBAを活用する目的は、私たち教員が、生徒の技能や文法理解のどこが足りていないのかを分析することにあります。外部の模試の結果とも合わせ、指導の改善を図ることに役立てており、結果、高校1年生までのCEFR取得状況の平均は、CEFRのB1に。さらにB2、C1を取得している生徒も少なくありません。

 また、英検に関しては受験を必須とはせず、めざす進路に必要なものを生徒自身で受験するように指導しています。しかしIELTSやTOEFLを含め、英検を受験する生徒は多く、自身の国内的なレベルを把握するために英検を活用しているようです。生徒自ら英検準1級や1級に合格したことを、嬉しそうに報告してくれます。

英検の会場校になったことで、地域の小学生からの注目も高まった

 本校が英検会場校になって3年目ですが、メリットが多いと感じています。会場校登録をした目的の一つは、生徒が慣れた環境でリラックスして受験できるようにというところからだったのですが、もともと英検に興味がある生徒が多かったからか受験者は急増しており、英語検定協会さんからカナダ大使賞もいただいています。

 また本校の生徒たちの進路志望としては、全体的には国内大学を志望する生徒が多いですが、海外をめざしている生徒も学年に20〜30名ほどいます。面白いのはアメリカだけではなく、ヨーロッパからアジアまでさまざまな国を進学先に考えている生徒が多いことです。また日本の大学でも、英語で専門講義を受けられるような大学や学部学科をめざす生徒が少なくありません。身につけた英語力を元に、本学のミッションでもある高い志を持ち国際社会で活躍できる人材に育って欲しいと考えています。

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