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2026.09.14 教育現場より 学校での英検活用

「英語力+α」を得られる英検を通して、生徒たちは大きく成長する

【2024年度 オーストラリア大使賞受賞】
浪速高等学校・中学校

英語科 主任 奥野 貴博 先生
英語科(高校)辻村 和幸 先生
英語科(中学)和田 直也 先生

 

100年以上の歴史をもつ神社神道に根ざした学校

 本校は1923年に創立した100年以上の歴史をもつ学校です。神社神道を建学の精神に掲げ、「浄明正直」の校訓と「敬神崇祖」の教えをもとに、浄く明るく正しく素直に生きる力と、思いやりの心、感謝の心、豊かな心を育むことを大切にしてきました。現在、中学・高校合わせて約3,400名の生徒が在籍する、大阪府内でも規模の大きな学校となっています。
 中学校はI類・Ⅱ類、高校は文理S1コース、I類、Ⅱ類、Ⅲ類に分かれて学び、高校2年次からは英語に特化した「浪速国際コース」を設置。主に難関大の国際系学部や外国語系学部、および海外大学への進学を目指すコースとなっています。

授業で学んだ英語をアウトプットする機会を重視

 中学校では英語教育を柱の一つとし、英語の授業を週5、6回と公立中学校の1.5倍ほど設けているのが特徴です。授業では、4技能をバランスよく伸ばすこと、そして、他者とつながり合いながら学ぶことを意識しています。英語をアウトプットする機会として、ネイティブスピーカーとのTT(チーム・ティーチング)、週1回のオンライン英会話を行い、クラスメイトとのペアワークやグループワークも積極的に取り入れています。また、ネイティブの講師を招いた宿泊型のイングリッシュキャンプやニュージーランドでの海外語学研修など、異文化に触れつつ語学力を育てるプログラムも用意しています。

 高校でも学んだ英語を使う機会を重視しており、中学校同様、文理S1、Ⅰ類コースを中心に、週1回のオンライン英会話を取り入れています。一方、オンライン英会話に対して心理的なハードルを感じてしまう生徒もいるため、Ⅱ類コースなどではネイティブ教員とのTTの授業に置き換えています。ただアウトプットする機会としてではなく、「自分の英語が通じた!」という成功体験を大事にしたいので、英語を使うシーンについては生徒が楽しく取り組めるよう意識しています。
 一方、英会話やTT以外の授業では、「読む」ことに重きを置いています。4技能統合型の授業を目指した時期もあるのですが、あれもこれもと盛り込みすぎて中途半端になってしまうという側面があり、やはりまずは英語を読めるようになることが大事だという結論に至った次第です。英文を読めるようになるために不可欠な語彙力や文法力の強化も含めて、通常の授業は極めてオーソドックスなスタイルで進めています。

 高校では課外の学びも大事にしており、夏休みに開催する「グローバルアカデミー」やカナダへの短期語学留学を実施しています。グローバルアカデミーは国内で行う5日間のプログラムで、海外の学生と一緒にテーマ学習に取り組みます。グループワークやプレゼンテーションなどの活動はすべて英語で行い、まさに英語漬けのプログラムとなっています。大規模校でありながら、こうした機会を生徒に提供できているのが、本校の英語教育の特徴の一つだと考えています。

 また、中学・高校とも近年はICTの活用を進めており、授業でもGoogleの各種ツールやデジタル教科書などを積極的に使っています。デジタル化によりテストの採点や提出物の管理などはとても楽になり、教員の負担軽減にもつながっています。また、生成AIによる英文添削ツールなどの活用も検討しており、現在は教員自身がいろいろと試しつつ研究しているところです。

生徒たちの成長が長期的な英検活用の決め手に

 本校では以前より英検に力を入れており、中学1年生の第3回、高校1・2年生の第1回と第3回を全員受験としています。学校としては、中学3年生までに英検3級、高校1年生で準2級、高校2年生のうちに2級を取得し、自信をもって大学受験に臨んでもらいたいと考えています。準2級と2級の橋渡しとして新設された準2級プラスの受験も推奨しています。
 毎年、学年の最初の授業では「いつまでに何級を」と、英検取得を指標にした英語力向上のビジョンを見せるようにしています。加えて、直前になって慌てて対策する生徒が一定数いることから、英検の試験日から逆算して半年ほど前から単語などをコツコツと積み重ねるよう声掛けをしています。また、本校では中学生は英検4級以上、高校生は英検準2級以上を取得すると、理事長からの奨励賞が与えられます。そういった学校をあげた後押しもあり、生徒たちは英検取得に向けて意欲的に取り組んでくれています。

 英検対策としては、学校として導入しているeラーニング教材やオンライン教材の中の英検対策講座に取り組んでもらっています。加えて、過去問を配布したり、希望者を対象に二次試験対策をしたりもしています。生徒にアドバイスする際には英検CSEスコアも参考にしており、どこが弱いか、あとどのくらい伸ばせば合格に届きそうかなどをデータを見ながら伝えるようにしています。また、英検CSEスコアについては全体の傾向も見えるため、例えば、要約問題が入ってからライティングセクションのスコアが低下しているので、強化が必要だ…といった話も教員間でしています。

 私たちが長年、英検に取り組んできた最大の理由が、英検を通して生徒たちが大きく成長する姿をたくさん見てきたから。英検という目標に向けて、自主的に学ぼうとすること、たとえ苦手であっても挑戦して乗り越えようと努力すること、そして、合格という成功体験を通して自信をつけることは、生徒にとって大きな意味のあることだと感じています。
 また、英検の試験問題は、社会的なテーマや時事的なテーマを扱っていて、生徒たちが社会について考えるきっかけにもなっています。中学校や高校で学ぶ内容との親和性が高い一方で、学校の定期考査では出題されないタイプの問題、よく練られた質の高い問題が出題されるので、それも英検受験の魅力だと感じています。英検は検定・資格としての社会的信頼度が高く、大学受験でも使えるところが増えており、挑戦しない手はないと生徒たちにも話をしています。

 今後は、英検をきっかけに英語に興味をもつ生徒が増え、英検に向けて頑張ろうという機運が高まって、学校全体に波及していくという、大規模校ならではのダイナミックな動きが生まれることを期待しています。

 

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