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2026.03.11 教育現場より 学校での英検活用

主役は生徒。裏方としてサポートし、 最終目標は自律した学習者を育てること

【2024年度 日本英語検定協会賞受賞】
東京都立小山台高等学校
英語科 田邉 勇斗 先生

創立100周年を迎える、文武両道の伝統校

 小山台高校は創立100周年を迎えた伝統ある学校で、東京都教育委員会より「進学指導特別推進校」ならびに「GE-NET EE(英語教育研究推進校)」に指定されています。生徒の進路実現のため、高度な学力を身につけることを目指したキャリア教育プログラムを取り入れ、国公立大学の進学者も多数います。また、学校行事が盛んで、運動会、文化祭、合唱コンクールなど生徒主体で運営される行事は、毎年大きな盛り上がりを見せます。

 生徒も教員も「文武両道」を本気で目指し、実践していることが本校の特色です。多くの生徒は、「勉強・班活動・行事」の三兎を追いながら、メリハリのある規律正しい学校生活を送っています。
 特に、班活動(=部活動)はとても盛んです。本校には定時制課程があるため班活動ができる時間が限られているのですが、短い時間の中で効率的に練習を重ね、優秀な成績を収める団体も多くあります。
 生徒は学習意欲も概して高く、授業内外での質問や添削指導、オンライン学習サービスの利用など、自主的・主体的に学ぶ姿が見られます。私たち教員は、そんな生徒たちをしっかりとサポートすることと同時に、授業力や指導力を向上させるべく研鑽に努めています。

間違えてもOK。英語をたくさん使い、正確性は後から高めていく

 英語の授業はペアワークを基本とし、コミュニケーションに重点を置きつつ、イントロダクション、語彙・内容理解、新出事項の練習、言語活動といった流れでオールイングリッシュで行っています。ただし、日本語で説明をしたり意見を交わし合ったりしたほうが良いシーンでは日本語に切り替えるなど、柔軟に対応しています。また、年8回は授業の中で1 on 1のオンライン英会話にも取り組んでいます。

 授業では「主役は生徒」をモットーに、教員は黒子のようにサポート役に徹することを心がけています。特に意識しているのが、ミスやエラーに対して寛容であることと、英語コミュニケーションと論理・表現の授業の連携です。私自身は、まずは4技能5領域において実践量を担保して英語力の「幹」を育て、そのうえで「枝葉」にあたる正確性を高めていくことが大事だと考えています。そのため高校1年生の授業では習った文法事項を何度も繰り返し読み、書き、聞き、話す機会を設けて「間違いを恐れず、まずは使ってみよう」というメッセージを積極的に伝えています。また、言語活動においては、コミュニケーションの目的・場面・状況をできるだけ具体的に設定することも大事にしています。もちろん、状況設定によっては正確性が求められることもあるので、場面に応じた適切な言語使用が最終的にできるようになってほしいという思いも生徒に伝えるようにはしています。
 一方、高校1年生は習熟度別ではないため、クラス内の学力差が大きく、個別対応が課題となっています。できるだけ生徒一人ひとりを見て、個人に合ったレベルのタスクを与えたり指示を出すよう心がけていますが、まだまだ試行錯誤の最中です。

受験日程の柔軟性と受験機会の多さが英検S-CBTの魅力

 本校では、学年ごとに異なる英語の外部検定試験を採用しており、今年度(2025年度)1年生は、英検S-CBTを年1回・全員受験としています。なお、本校はGE-NET EEの指定を受けているため、受験料は東京都の負担となっています。

 英検S-CBTのメリットは、やはり受験日程の柔軟性です。班活動等で日程の決まっているペーパーテストでは全員受験が難しく、S-CBTを採用しました。1年生では、「2月のどこかの日程でS-CBTを受ける」というルールにしています。加えて、受験機会の多さ、そして結果がすぐに出るという点もありがたいです。昨今の大学入試では、英語の外部試験利用が広がっています。S-CBTにより英検の受験機会が増えることは、受験生にとっても大きなメリットだと感じています。
 私が担当する1年生では「英検2級・CSEスコア2000」を目標にしており、受験級のボリュームゾーンは2級となっています。英検に向けた対策としては、過去問の貸し出しのほか、添削などの指導は希望者を対象に個別に行っています。また、スピーキング・面接の練習には、JET・ALTの先生方も協力してくださっています。

 大学入試ではどうしてもリーディングが中心となり、リスニングやライティングの割合は下がりますし、スピーキングは入試には不要であるところがほとんどです。一方、英検では4技能が求められます。学校の授業で行っている4技能5領域のバランスの取れた学習の意義が理解できる、その成果を測るという点においても、英検を受ける意味は大きいと感じています。
 英検をはじめとした資格検定試験では、合否やスコアが出ます。それは日頃の学びのフィードバックであり、生徒には「結果に一喜一憂することなく、自分の英語力の状態を知るものとして、健康診断的に活用してほしい」と伝えています。

英語は使うもの。その楽しさを生徒にも伝えたい

 私が生徒に繰り返し伝えているのが、「英語は使うもの」というメッセージです。道具なのだから、最初はうまく使えなくて当然です。どんな道具でも、エラーを重ねつつ、使っているうちに少しずつうまくなっていくもの。だから、間違ってもいいからとにかくたくさん使ってほしい、と伝えてきました。自分の授業での言語使用も決して完璧なものではありません。常に英語学習者であり、英語の使用者であるという意識で日々精進しています。生徒はついペーパーテストで測られる結果に一喜一憂したり、得手不得手を判断したりしてしまいがちです。実際に使いながら英語のおもしろさに気づいたり、習ったことを使えるようになったときの達成感を味わったりしてほしいと思いながら指導にあたっています。
 昨今は便利なツールがたくさんあります。例えば、九州大学の内田論研究室を中心として開発された「CWLA」というツールです。ライティングのCEFR-Jレベルを評価し、英文の自動添削機能としても使えます。生成AIに基づいたスピーキングアプリも日々新たなものが更新されています。これらは一例ですが、生徒には最終的には自立した学習者になってほしいと考えており、英語学習のためのツールや学習法なども積極的に紹介しています。

 私自身は教員2年目で、まだまだ勉強中の身です。今後も素晴らしい授業や実践をされている全国の先生方から多くを吸収し、英語を学び使うことの楽しさを、生徒たちに伝えていけたらと思っています。

 

 

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