Microsoft Teams を活用して、オレゴン在住の私の親戚家族とつなぎました。現地の道路や車の走る様子を映してもらい、どこの国かを予想する活動をしました。標識、ゴミ箱、郵便ポスト、左ハンドルの車、靴のまま部屋に入る場面に、子供たちは自然と自分の住む日本と比べていました。最終的に、車のナンバープレート「Oregon」からアメリカだと分かり、地図帳で調べてオレゴン州がどこかを探していました。言語の学びに留まらない活動が、言葉の背景にある文化理解に関心を抱かせるのだと改めて実感しました。 また、自己紹介と慣れ親しんだ内容を盛り込んだやり取りにも挑戦。4年は、一日の生活の流れや日本と現地の時刻、天気、5年は、誕生日や勉強したい教科とその理由、6年は、宝物、行きたい国とその理由等を尋ね合う活動です。事前に座席表も送り,名前を呼ばれた子供がドキドキしながら答え、通じたときに笑顔になり、拍手が起こる場面もありました。こうした場の設定で、相手の質問を理解し、答えに対して相手が頷いたり反応したりしながら聞いてくれることに喜びを味わえたようです。答えを聞き、「Me、 too.」「Awesome.」等と自然に反応する子供の姿を見て、やり取りに対し、気負わず、楽しんでいることが伝わってきました。
3年生Let‘s Try1の「Unit7 This is for you.」の活動から発展したカード作りを企画。11月上旬、海外のサンタにカードを送ることを知らせると、3年生に限らず、4年から6年の子供たちも目を輝かせました。3年は色・形カードを発話しながら切り取り、冬を表す模様を作って貼る活動、4年は、示した冬の挨拶表現の小文字のスペルを確認しながら、図工の学習と絡めた制作活動、5、6年は、自由に絵を描いたり切り絵をしたりすることに加え、提示した挨拶表現から選択して、その文章を視写する活動を取り入れました。海外在住の私自身の知り合いに連絡したところ、即快諾。しかも、サンタとして学校宛てに返事のカードも送ってくれるとのこと。折角なので、各国の言語で書いてもらうこともお願いし、切手や文字も異文化理解の素材として活用できると考えました。コロナ禍により、日本に届くまでに予想以上の日数がかかったり、その国自体が海外からの郵便を受け付けなかったりする状況ですが、2学期末までに届いた返事を授業で紹介したときには、実際に返事がきたことに目を丸くして驚きと喜びを隠せない様子でした。3学期始めの授業では、「本当に届いているのかなあ。先生が返事を書いたでしょう!」と未だ信じていない子供にも、海外にちゃんと届いた、送られてきた証拠画像を紹介することができ、自分たちのカードと共に写っている景色や街並み等をもとにクイズも出題しました。ちなみに、送った国は、アメリカ、イギリス、カナダ、スイス、カザフスタン、タイ、香港、ウルグアイ、ペルー、ニュージーランドの10か国です。
4. 今後の課題
1 評価の在り方
子供一人一人の実態把握と同様、苦労しているのが評価です。今まで、外国語の評価についての研修を受けたり、県内外の先生方に尋ねたりして、「こうすればいいんだ」と分かった気になるのですが、いざ子供たちを前にして授業を進めた後、授業中の見取りが十分でないことを実感するのです。そこで、1学期後半から、鹿児島市から派遣されるAEA(Assistant Teacher of English Conversation Activity:英会話活動協力員)が授業に入る時間は、評価につながるような印(マーク)を座席表につけてもらう取組をしています。各時間評価の視点に対し、特に秀でている♥、支援が必要★等の簡単な印です。その印を見て、支援が必要な子供へは休み時間や放課後を使って補習をすることもあります。2学期、アルファベットの定着が今ひとつだったとAEAと私が感じた子供の家庭へは、担任の了解を得て、冬休みにアルファベットカードを持ち帰って慣れ親しむ練習のサポートをお願いする文書を出しました。このように、AEAによる評価メモのおかげで、私自身が気付いていない子供のがんばりや困り感に目を向けることができます。また、学期末には、「Performance Challenge」という形で個別にやり取りや発表をする際、AEAが相手、私が評価をする形をとり、独りよがりな見取りにならないよう、AEAと吟味して評価するようにしています。ただ、全時間にAEAが入るわけでないため、適切な評価ができているかどうか自信はありません。今後も可能な限り研修を受けたり、他校他地域の先生方との情報共有を図ったりしながら、評価について学ぼうと思います。