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2020.04.08 教育現場より 先生のための授業参観

今日から使える! クラスルーム・イングリッシュ #1

小学校の外国語活動では、どのような場面で、どのような表現を使って、やり取りをすればいいのでしょうか? 全国の小学校や教育センターなどで活用している「クラスルーム・イングリッシュ」の表現集をご紹介します。第1回は、2018年度の全英連滋賀大会で授業実演を行った滋賀県大津市立晴嵐小学校の平山美穂先生が活用している、大津市で生まれた「マジックワード」です。(『英語情報』2019創刊準備号より)

「マジックワード」ってなに?

小学校の外国語活動では、体験を通して外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむこと、積極的にコミュニケーションを図ることを意識して指導を行っています。しかし、子供たちは決まった質問に対しては返答することはできても、なかなか自分の思いを伝えられずにいる姿が多く見受けられます。

私が所属する大津市の小学校外国語活動部会(2019年度から小学校外国語活動・外国語科部会)の授業研究会に参加した際、4年生の授業で最初に「マジックワード」という表現集を使って、自作のチャンツをみんなでリピートして活動する場面を見ました。

子供たちは多様な英語表現を知り、プリントを配る際に、“Here you are.” “Thank you.”と自然と言い合っていたり、積極的に「マジックワード」を活用して自分の思っていることを伝えたりしていたのです。

そこで、この発想を生かして、より活発なコミュニケーションを促す取り組みとなるよう、日頃からよく使う英語表現を新たに追加再編し、反復練習をして覚えていく活動を取り入れようと考えました。

「マジックワード」の活用方法

昨年度は、6年生の学級担任として、「マジックワード」を使った活動を実践しました。まず、自分の気持ちを伝える英語表現を集め、「ほめ言葉編」「はげまし編」「リアクション編」「マナー編」の4種類に分けて、下記の表現集を作成しました。

例えば、ほめ言葉を知った子供たちのなかには、友達の良いところを探して、英語で言ってみようとする子も現れました。使う場面に応じた「マジックワード」を分類して作成することで、子供たちも状況に応じて自分の気持ちを伝えようという意欲が出てきました。事前にALTにマジックワードを1つずつ録音してもらい、ALTが不在の時に子供たちに聞かせると、普段聞き慣れたALTの発音ということもあってか、子供たちは安心し、リズムに乗って楽しみながら反復練習することができました。

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また、モジュール時間を活用し、朝の授業前などの短い時間を使って、音声に合わせながら子供たちと反復練習をしてみました。 そして、子供たちには「間違ってもいいから、声に出してみよう」「言えるところからやってみよう」など声を掛けながら、少しずつ練習していくことを伝えました。1回に繰り返すのは数回と決め、急がずに少しずつ繰り返していきました。その結果、子供たちは飽きることもなく、日本語を見ると、英語が口から出るようになりました。

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子供たちの積極性を促す

「マジックワード」を実際のコミュニケーションで使えるようになるには、繰り返し口に出して言ってみたり、学んだ表現を積極的に使ってみたりすることが大切です。つぶやきや独り言も含めて、覚えた表現を使おうとしている子供たちをほめたり、クラスのなかでそのがんばりを認めたりすることで、子供たちの活動を促すようにしました。

子供たちには、間違いを恐れず、恥ずかしがらずに使っていくことで、英語が話せるようになるということを、常々伝えてきました。また、「相づちを打ちながら聞いてくれると、一生懸命聞いていることが伝わっていいね」といった子供たちの感想をクラスで共有して、聞き手の言動が話し手の発話を促すということも、同時に気付かせていきました。

このような活動を続けていくうちに、「自分もやってみよう」という子供が増え、友達の話を聞いた時に自分の思いを伝えるには、「マジックワード」にあるような英語表現で伝えられるということにも気付くことができました。

気持ちのこもったコミュニケーション活動へ

活発なやり取りをするためには、「話したい」「聞きたい」という気持ちをお互いが持って対話することが大切です。今後も、会話をする際の聞き手や話し手としての態度や心掛けなどを、子供たちに考えさせていきたいと思います。

「相手の方に体を向けて話を聞くこと」や「うなずいて聞くこと」といった聞き手としての態度や、「目を見て話す」などの話し手としての態度について、その意図や相手への敬意を理解させ、実際のコミュニケーションで生かせるような指導を考えています。

また、「マジックワード」を活用していくうえで、子供たちが自分から英語を話そうという気持ちが出てきたら、「ジェスチャーを使う」「自分の言える簡単な英語表現を使う」など、さらに活発なやり取りを促すポイントも教えながら、話す楽しさを伝えていきたいと思います。

子供たちが、分からない英語表現を教師やALTに尋ねたり、知っている英語で言い換えられないかを考えたりするような、語彙を増やしていく取り組みも続けていきたいと思います。

今後も英語による活発なコミュニケーションを工夫し、さらに研究を続けていきます。

 

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平山 美穂 先生
大津市立晴嵐小学校教諭。2018年度「第68回 全英連滋賀大会」小学校授業実演発表者。2019年4月より、研究派遣で大津市教育センター研究員として勤務。

リアクション編の音声ファイル

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