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2024.03.18 教育現場より 学校での英検活用

4技能をバランス良く育て、CSEスコアの活用で一人ひとりの成長を図る

桜丘中学校・高等学校
牧野 圭太郎先生・湯川 佳成江先生

4技能がバランス良く育つカリキュラムを実施

 本校では絶対評価を大切にしており、生徒一人ひとりがスキルアップする、自己を高めていけるような教育スタイルを優先させています。英語教育においても、一人ひとりが自分の成長を感じられるように、英検のCSEスコア(以下、スコア)にフォーカスした取り組みを実施しています。
 中学校では英語全体の3分の2がネイティブ教員による授業で、中高一貫教育の早い段階から自然な英語に触れながら、4技能をバランスよく伸ばすことができるカリキュラムを組んでいます。そのため、ネイティブ教員は専任が5人、非常勤が6人と多く在籍しております。出身もばらばらで、イギリスの地方出身で方言がある教員もおり、日常からさまざまなタイプの英語に触れる機会があります。
 高校に入ると、志望進路によってコースが分かれ、英語への取り組みもコースごとにさまざま。ですが、基本的にネイティブ教員と向き合える機会を大切にしています。

どのレベルの生徒もスキルアップできる体制を

 英語の授業は大きく3つに分かれています。中学1年生を例に取ると、最も時間数の多い「英語A」はネイティブ教員が担当し、検定教科書を用いて4技能をバランスよく学びます。アクティビティも取り入れながら、文章を読んで内容をまとめたり、新しい知識を習得したりします。
 週2回行う文法メインの「英語演習」では、英語を外国語として身につけた日本人教員の目線で、日本人がつまずきがちな文法力を系統立てて身に付けていきます。それぞれ個別の授業を受け持ちつつ、お互いに連携、協力しながら授業を進めることで、総合的な英語力の向上を目指します。学年が進むにつれて、生徒間の習熟度が異なってくるので、どのレベルの生徒もしっかりスキルアップできるように授業を構成します。
 そして、クラスを二分割した少人数制で生徒の身近なことをプレゼンテーションする、アウトプットが中心の「英語B」の授業も週1回実施しています。

授業外でも好きな時に英語の勉強ができる仕組みを用意

4技能をバランス良く伸ばす取り組みは他にもあり、英語学習アプリの活用や外部機関による学習サポートを導入しています。外部機関との協働によって、生徒は365日、学校でも家でもネイティブの講師とオンライン英会話ができるようになっています。
 いつでも英語学習ができる環境が整っているため、意欲の高い生徒はどんどん学習を進めることができ、力を伸ばしていきます。
 また、希望者全員が参加できる夏休みの海外研修や、選抜された生徒のみが参加する海外研修があり、現地高校との交流や外国の文化を肌で感じられる機会を設けています。後者は高校1年次に実施され、教員は同行せずに自分で渡航してホームステイ先へ向かい、現地の学校へ通って帰国するまで、一人ですべてを乗り切るプログラムとなっています。トラブルが発生した場合も、自分で考えて解決を図らなければならないので、成績だけでなく対人コミュニケーション力も重視して選抜しています。その他、日本にいながらも海外姉妹校生徒との交流の機会もあります。

実力を試す英検は、受験直前に授業で徹底対策

 英語力を伸ばす、現在の英語力を確認するツールとして、本校は全校生徒が英検に取り組みます。中学校では目指す級を生徒自ら決め、単語力の強化を図るため、単語に特化した英検対策テキストを取り入れて学習しています。
 高校は4つのコースに分かれており、それぞれで目標とする級が異なっています。英語を武器に世界での活躍を目指すコースでは、将来を見据えたワンランク上の学習を行いながら、英語力の成長を英検で確認しています。また、国内難関大学進学を狙うコースは早い段階から準1級を目指し、他のコースは1年生で準2級、2年生で2級の合格に向かって学びます。とはいえ、基本的には生徒個々のレベルに合わせた級を目指してもらいつつ、積極的に次の級への挑戦を促すようにしています。
 中高共に一次試験と二次試験実施の1週間前には、“英検week”と称した集中対策期間を設けています。授業を英検対策に特化した内容とし、合格率アップを図ります。リーディングや文法など、すべての外国語授業で英検対策を行い、コミュニケーション中心の授業では、生徒同士で面接のロールプレイの練習を行うことも。練習後には要点を教員と確認し、フィードバックをした上で受験に送り出します。
 また、英検合格者の名前を廊下の壁にプロジェクターで掲示する、中学生で2級、高校生で準1級に合格した場合は全校生徒の前で表彰する、といった形で英検に取り組む生徒の頑張りを応援し、全体のモチベーションアップにもつなげています。

一人ひとりが成長を実感できるよう、CSEスコアを活用

昨年までは英検全員受験は年間1回でしたが、今年から第1回と第3回を全校生徒で受けることを決めました。級のステップアップはもちろんのこと、CSEスコアアップを狙う意味合いも大きくなっています。次の級への挑戦にはまだ自信がなくとも、スコアを上げるために合格済みの級でも再度受験をすることによって、英語力の成長が実感できるからです。
 そのフォローとして、スコアアップが確認できる本校独自の「パフォーマンスシート」を作成。これは、今年から準会場受験を取り入れたことを契機に、試験データを学校でより詳細に把握、分析する方針となり、作成に至りました。どの技能が伸びたかなど、一人ひとりが自分の成長を確認できます。
 そして、スコアアップに対する表彰も行なっており、4技能全体、または技能ごとに一定以上の伸び率となった生徒には賞状とノベルティを渡しています。合格だけではなく、スコアの伸び率でも表彰を受けられることが、生徒が前向きに英検受験に取り組む原動力になっていると考えています。
 年2回の英検受験の取り組みは始まったばかりですが、大多数の生徒がスコアアップを達成しています。せっかく受験するのだから、点数を上げよう! というモチベーションアップにつながっていると手応えを感じています。

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