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2026.03.25 教育現場より 学校での英検活用

英語は世界と向き合うためのツール。 英語を通して他者と関わることを大切に

【2024年度 日本英語検定協会賞受賞】
関西創価中学校
英語科 主任 村上 武志 先生

中学時代は「いっぱい失敗していい3年間」

 関西創価中学校では、「一人も残らず、平和主義・文化主義・人間主義のグローバルリーダーの育成」をポリシーとし、「平和・尊重・自律」を柱とした教育を行ってきました。生徒のほとんどが関西創価高校に進学するため、中学3年間はグローバルリーダーになるための土台作りの期間と位置付け、基礎・基本を着実に身につけることに主眼を置いています。高校受験がないこともあり、生徒には「いっぱい失敗していい3年間」というメッセージを発信しています。勉強面にせよ生活面にせよ、いろいろと試行錯誤を重ね、ときには失敗しつつ、自分に合ったやり方を自分で見つけていく。そのプロセスに意味があると考えています。

 英語教育において大事にしているのが、「英語は世界と向き合うためのツールである」というスタンスです。これは、本校の教育の柱である「平和・尊重・自律」とも結びついています。英語は他者を理解し、自分の考えを伝えるための手段であり、生徒には技能的に上達する以前に英語を使おうとする人、英語を使って他者と関わろうとする人であってほしいと考えています。

 このことを生徒に実感してもらうために、1年次には留学生と交流する「グローバルキャンプ」を実施しています。系列大学である創価大学で学ぶ留学生と、半日間、英語を使って共に過ごします。まだ1年生ですから英語はたどたどしく、ジャスチャーなども交えての交流なのですが、生徒たちは緊張しつつもイキイキとした表情を見せてくれます。海外の人とコミュニケーションがとれた、自分の英語が伝わった、相手の言っていることがわかった…という実体験が、英語に対する苦手意識や恐怖感を和らげ、伝わる喜びや自信につながるのです。

1年次から選択授業を実施し、生徒の自己決定力を育む

 普段の授業も、英語を正しく使うこと以上に、英語を使っていかに他者と関わるかに主眼を置いています。加えて大事にしているのが、生徒が自分で学びを選択する、ということです。1〜3年生とも、週5時間ある英語の授業のうち2時間は一斉授業、2時間は選択授業、1時間は英会話になっています。選択授業には、基礎を着実に積み上げる「ベーシック」、ペアワークやグループワークを多く取り入れた「インタラクティブ・スタンダード」、発展的な活動を盛り込んだ「アドバンスト」、会話中心の「英会話」などのコースがあります。そして、これらのコースには習熟度別で割り振るのはなく、生徒が自分の意思で何を学ぶかを選択します。

 コースは単元の前半・後半で変更が可能で、生徒は自分で学習計画を立ててコースを選択します(英語については定期テストは実施せず、単元ごとにテストを実施)。計画は週2時間の一斉授業の中で立て、教員が机間巡視しながら生徒一人ひとりに声をかけていきます。対話を通して「なぜそのコースを選ぶのか」「どういうことに興味があるのか」を掘り下げつつ、最終的には生徒自身が選択します。

 当然、自分の英語力に見合わないものを選んでしまうケースや、「友だちと一緒がいいから」などの安易な理由で選んでしまうケースもあります。「自分には合わなかった」「この選び方ではまずかった」と気づき、「じゃあどうすればいいか」を考えて軌道修正する。まさに、失敗から学ぶことが大事だと考えています。AIが高度化するこれからの時代は、自分で考えて判断・行動することが重要になります。自分に必要な学びや自分に合った勉強法は何かを考え、選び、行動する。やってみて違うと気づいたら、修正する。これを繰り返すことで、自己決定力が少しずつ身についていくのです。

全員が英検IBAを受験、英検の年間延べ受験者数は800名!

 本校では長く英検への挑戦を奨励し、過去には学校が受験料を負担して全員受験をしていた時期もあります。現在は、英検の本試験に代わって「英検IBA」を、年2回、生徒全員が受験しています。英検IBAでは、英検級レベルのほかCEFRレベルやCSEスコアも示されるため、生徒にとっては自分の現在地を把握し、挑戦する級を決める目安になっています。学校としては「英検3級合格レベルに到達。うち半数が準2級合格レベルに到達。」を目標に掲げています。生徒の意欲も高く、5級から1級まで、年間の延べ受験者数は800名以上に上ります。

 生徒の英検へのモチベーションアップの一助となっているのが、「アメリカ創価大学研修」です。2・3年生で英検3級以上を取得している生徒(希望者)から抽選で20名が無償で渡米できるプログラムで、現地の学生と交流したりディズニーランドに行ったりと、生徒にとっては「ご褒美」のようなものになっています。取得級が上がるほど当選率が高くなることもあり、この研修をモチベーションに英語学習を頑張っている生徒も少なくありません。また、生徒を見ていると、研修に参加したことで英語学習のモチベーションがさらに高まるケースも多く見られます。

 英検対策としては、希望者を対象に、ライティングの添削や面接練習を行っています。また、週2時間の一斉授業の中で「セルフ・ペースト・ラーニング」という自学自習時間を設けており、そこで英検の問題に取り組む生徒もいます。英検は4技能をバランスよく測る試験であり、本校で実践している4技能を統合的に育てる英語教育とマッチすること、生徒が英検を指標として自分のペースでステップアップできることが、英検の魅力だと感じています。

 本校の生徒には、英語の技能と英語を使うマインドを育み、異なる他者、そして世界と向き合うグローバルリーダーへの一歩を踏み出してほしいと願っています。私たち教員も、生徒と日々向き合い寄り添いながら、人間的な成長も含めて支援をしていきたいと思います。

 

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