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2021.11.10 教育現場より 先生のための授業参観

【第22弾】英検全員受験がもたらすグローバル人材の育成

國學院高等学校
学校長 津田 栄 先生
教諭 青木 大輔 先生

 東京オリンピックの舞台となった新国立競技場の程近くに位置する國學院高等学校は、創立70年以上もの歴史と伝統を持つ進学校です。人生の基礎づくりとして英語教育に力を注ぎ、全生徒に実用英語技能検定(以下、英検)の受験を必修としています。英検合格者数は全国の高等学校で最多(2017年度、18年度)となり、さらには20年度卒業生の9割近くが在学中に英検2級以上を取得。同校を附属とする國學院大学のみならず、一般入試で他大学へ進む生徒も多く、幅広い進路選択につながっています。

英検全員受験を必修化した理由とその成果についてお聞かせください。

IMG_6454津田学校長 本校は、生徒が将来、社会に出た際に必要とされる能力を身につけることを重視しています。各教科の学習はもちろんのこと、外国語の習得や部活動など、学校生活における様々な活動に、生徒が全力で取り組める環境づくりに努めています。

 特に力を入れているのが、英語教育です。英語は大学入試において文系・理系を問わず必要となる主要教科であり、学校内での取り組みと海外語学研修を組み合わせることで語学力を高め、国際人としての素養を身につけることに重きを置いています。その一環として、年3回(3年生は年1回)の英検全員受験を必修化しました。近年、大学入試において外部検定試験の導入が進み、英検資格を利用できる大学が増えつつあるほか、大学が指定する基準をクリアすることを条件に、受験生に英語の個別試験を免除する大学も増加傾向となっています。

 英検の必修化は受験対策の一つと捉えられがちですが、英検を定期的に受けることは、基礎から高いレベルまで生徒の英語力を段階的に高めていくのに効果的です。生徒の総合的な語学力の向上を目指し、従来行っていた補習中心の指導に代わり、英検を活用した取り組みへと切り替えました。

青木先生 本校では、できるだけ多くの生徒が準1級を卒業までに取得することをめざし、1・2年時にそれぞれ年3回、3年時に年1回の英検受験を必修としています。生徒の英検合格に向けた学習については、各学年で目標とする級別でクラスを分け、外部講師による「英検合格に向けた講習」を夏休みや冬休みといった長期休暇中に年5回実施し、1・2年生にはそのうち3回の参加を必修としています。

津田学校長 このような取り組みが、一生懸命英語学習に励んでいこうという学校の雰囲気をつくり、英検合格者数の増加につながっています。2020年度卒業生の86%が2級以上を取得し、準1級の取得者は20名でした。

青木先生 英検の高い合格率は、大学入試の合格実績にも反映されています。もともと英語に対して苦手意識のあった生徒が、英検に取り組むことによってそれを克服し、最終的に英検準1級を取得することで、大きな自信をつけるのです。これは、志望大学への積極的なチャレンジと、早慶や国公立大学も含めた難関大学の合格につながっています。「英検は自分たちの背中を後押ししてくれるもの」という意識が、本校の生徒の間で定着しつつあります。

津田学校長 大学入試実績の一例ですが、2021年度入試で本校生徒82名が立教大学に合格しました。立教大学は大学独自の英語試験ではなく外部検定試験利用入試に一本化しており、高い英語力が求められますが、これだけの生徒が現役合格できたのは、英検取得が生きている証です。

 一方で、本校生徒の英語力の底上げを図るために、高校入試において、2022年度から英検準2級の取得を推薦入試受験の条件としています。厳しい条件ですが、英検準2級をすでに取得していることは、高校入学後さらに英語力を伸ばすための土台となります。入学を希望する中学生の皆さんには英検準2級という実力を基に、本校入学後には準1級取得を実現し、自信をつけて卒業してもらいたいですね。

 

学校全体で「英検」対策に取り組むことで、生徒と先生方にどのような変化がありますか?

津田学校長 英検の全員受験を必修にしたことは、生徒と教員の双方に良い影響を与えています。まず、生徒側においては、英検合格という目標を持って学習に励む過程で、英語4技能が自然と身についていきます。さらに実績として可視化されることで、学びに対し前向きになっていくという意識の変化が起こっています。英検取得で身につけた能力は大学受験に役立つのはもちろんのこと、卒業後グローバル人材として世界で活躍するためのスキルにもつながるでしょう。

写真2_青木先生青木先生 生徒たちの貪欲な学びの姿勢は、教員側の気づきを促し、より良い授業指導にもつながっています。英検受験に向けて気持ちを集中させ、同じ目標を持って切磋琢磨する生徒の指導に携われることに、非常にやりがいを感じています。生徒と教員は、そういった相乗効果を生み出す、まさにWIN-WINの関係だと思います。

 また、本校は教員の研修も充実しており、私もカナダでの研修に参加しました。大変貴重な経験となり、指導に大いに役立っています。生徒にとって、海外での語学研修は英語を話すことへの心理的なハードルを下げるきっかけとなります。新型コロナウィルスの影響でこの2年ほど海外研修は実施できておりませんが、有意義な機会を早く設けてあげたいと思っています。

津田学校長 青木先生が話したように、本校では生きた英語を学べるよう、生徒の海外語学研修にも力を注いでいます。語学の勉強自体は日本でもできますが、海外語学研修は言葉だけでなくその国の文化や歴史なども大いに吸収できる機会です。海外を知り、その国の人々とコミュニケーションを深めるためには自国について知ることも重要であり、英語学習は生徒の教養全体を高めていくモチベーションにつながっています。

青木先生 この2、3年は「コミュニケーション能力を高めるために、もっと英語を話したい」と、スピーキングに興味を持つ生徒が特に増えています。新型コロナウィルスの影響で、対面での授業を十分に行うことが難しい部分もありますが、今後はオンライン授業も取り入れるなど、ICTの積極的な活用を計画しています。

津田学校長 オンライン授業の導入やICTを活かし、学びの幅が広がるよう、これからはコンピューターに関する知識や技能が求められていくでしょう。ワード、エクセルはもちろんのこと、情報教育を十分に行うことが次の課題です。生徒には卒業までに英語力に加え、情報リテラシーもしっかりと身につけてほしいと考えています。

 

貴校は英検と併せてTEAPを受験する生徒も多くいらっしゃいますが、TEAPの活用について教えてください。

津田学校長 TEAPについては、「読む(Reading)」「聞く(Listening)」「書く(Writing)」「話す(Speaking)」の4技能のテストを1日で受験する必要があり、導入当初は生徒にとってハードルが高かったようです。英検2級に比べてもレベルが高く感じますが、アカデミックな試験内容ということもあり、高いレベルを目指す生徒ほど知的好奇心をくすぐられるようです。また、TEAPは年に3回までチャレンジできるので、2回、3回と複数回、受験する生徒が増えています。

青木先生 TEAPの出題内容は大学入学後の授業や学生生活を想定してつくられており、「生徒会のアンケート」や「部活動の取り組みについて」など、生徒にとって馴染みのある題材が多く扱われているのが特長です。題材を通じて「Introduction (序論)」「Body (本論)」「Conclusion (結論)」といった文の構造をしっかり学べるので、実感を持って英語の知識を蓄えていけるという印象です。

津田学校長 英検対策で学んだことをTEAPに活用できている生徒も多く、英検で高得点を上げる生徒はTEAPでも好成績を示しています。また、志望大学の入試にも合格する傾向にあります。

青木先生 大学教育に必要な英語能力を測るTEAPは、大学入学共通テストを想定した実践にも役立っています。2021年度入試から開始された共通テストでは、日常的な英語表現が多く、語彙のレベルに関してはTEAPと類似しているようです。リスニング、ライティングなどTEAPの4技能試験で高い点数を取っている生徒は、共通テストでも上位の成績を収めています。
 4技能試験に関しては、国の方針でリスニングを重視する姿勢が明確になり、旧センター試験の配点は筆記が200点・リスニングが50点でしたが、共通テストでは筆記が100点・リスニングが100点の計200点に変更されました。TEAPは4技能合わせて400点満点で評価されますが、技能ごとのスコアも示されるので、共通テストの参考になります。

 

これからの社会を生き抜く若者への想いをお聞かせください。

写真3津田学校長 本校では「頭は文化的に、身体は野生的に」をモットーにしています。高校に入学した皆さんには、まずは身体を鍛えて、100歳になっても活躍できる基本をつくっていただきたいと考えます。学習面においては、高校のうちに基礎的な知識を身につけ、大学では専門分野を学んでほしいと思っています。
 グローバル化が進む今の社会では、現在学んでいることが10年後には通用しなくなることさえあり、大学卒業や就職を最終ゴールとするのではなく、生涯にわたり学び続けることが必要です。

青木先生 “一生、勉強が必要”ということは、教員である私も日々痛感しています。インターナショナルなバックグラウンドを持ち、英検1級を取得して高いスピーキング能力がある生徒もいますし、生徒のレベルも高まっているので、教員の私も負けていられません。私自身も日々勉強し、自身の英語力をより磨いていくと共に、教員として広く豊かな教養や人間性を磨き続けたいと考えています。

津田学校長 人生は「長距離走」です。長い道のりを走り続けないといけません。これからの一生を考えれば、まず、身体が健康であること。その上で、生きていくためには様々なスキルが必要です。その一つとして、しっかりと英語を学んでほしいと思います。4技能の英語力を十分に身につけた生徒たちが、国際舞台で活躍する未来をいつも思い描いています。

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