【第28弾】子どもの能力を引き出す、いま実践すべき教育とは~IB認定校・英数学館の取り組み~
学校法人 広島加計学園
英数学館小・中・高等学校
英数学館小・中・高等学校は、1980年4月に、創立者である加計勉先生によって世界平和への想いを原点に開校されました。
2007年に中・四国地方では初となる英語イマージョン・プログラムを導入し、2016年にはインターナショナルスクールを除いて全国で5校目、中国・四国・九州では初となる国際バカロレア・ワールドスクール(IB)に高等学校が認定され、一条校でありながらIB教育を推進しています。
今回のインタビューでは、小学校校長の永留先生と中学校校長の土屋先生にお話を伺いました。お二人のお話から伝わる強いメッセージは、「今の教育を変えなければならない」ということ。正解のない世の中に対応するための「自ら考えて行動する力」を引き出す教育に尽力されています。
教育コンセプトは『「好き」×「得意」。世界に生きる「ジブンだけの武器」を手に入れる学校』。語学力と国際感覚を早い段階から養い、世界中で活躍できる素養をベースに、個性を生かして幸せな人生を歩む力を育む、英数学館の教育の根底にある想いを2回にわたってお届けします。
学校法人 広島加計学園 副学園長
英数学館小学校 校長
永留 聡 先生
これからは、「概念レンズ」で世界を見る力が必要
従来の“知識だけ覚える”といったことだけでは、21世紀の後半は乗り切れないと考えています。知識はどんどん更新されていくもの。英数学館では知識でなく「概念」で物事を理解するように指導しています。
生徒には、さまざまな物事を「概念レンズ」を通して理解し、自分の考えを深めるということを身に付けてもらいたいと思っています。そのためには、世界の共通語である英語を使えることが非常に大事です。これからどれだけAIが発達しても、自分で考えて話す英語と、機械が発する英語とでは、心と心の通じ方が違うと私は思うのです。
本校では正解のない問題に自分で仮説を立てて解決に導く学び方をメインにしています。友人とともに学び、他の人が言うこともしっかりと受け入れながら自分の意見も発信していく。今まで自分ひとりで知識を詰め込んでいた勉強が旧型だとすると、本校は世界的なスタンダードに近づいていくような新しい教育に挑戦しています。
IBの本質は、一生涯学んでいくということ
本校は『「好き」×「得意」。世界に生きる「ジブンだけの武器」を手に入れる学校』をスローガンにしています。その「好き」のフィルターを教員もたくさん持っていることが大事です。子どもたちに身に付けてもらいたいことに対して、教員がたくさん引き出しをもっていれば、子どもたちが投げてきた球に対してちゃんと返すことができます。
英数学館の生徒は小学生の頃から「5つの人間としての知識図」を念頭にコミュニケーションスキル、ソーシャルスキル、タイムマネジメントスキルなどを学んでいきます。人間として必要なものを教えていくので、生徒たちはプレゼンテーションが上手ですし、突然聞かれたことに対してもきちんと答えることができます。そういったスキルを教える教員自身にも能力が求められる。子どもと一緒に学んでいく姿が必要になります。教員の私たちも含めて、生涯学習者として一生涯学んでいこうというのが国際バカロレアの本質なのです。
※引き続き、英数学館中・高等学校 校長先生のインタビューを掲載予定です。