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2024.03.04 教育現場より 学校での英検活用

独自の英語一貫教育プログラムで、「本当に使える英語」を。

成城学園初等学校
梶山 健太郎先生 今井 英雄先生

自由な雰囲気の中で個性を伸ばし、高い基礎学力を身につける

今井先生
 成城学園は、幼稚園から大学までワンキャンパスにある一貫校です。成城学園初等学校では、国語や社会などの教科の他に「遊び」「劇」「舞踏」など、個性や能力を育むここにしかないバリエーション豊かな授業を行っています。自ら考えたり友達と力を合わせたりしながら、さまざまなことに挑戦し、成功と失敗を繰り返しながら経験を積み重ねています。児童と教師の距離が近く、みんなの笑顔が絶えない学校です。

梶山先生

 成城学園初等学校では、担任が全教科の授業を行うのではなく、各教科の専科教師がそれぞれを担当しています。他校では英語教師は担任を受け持たないことが多いと聞きますが、英語教師である私が4年生の担任をしています。英語はコミュニケーション力を育む授業でもあります。子どもたちの個性を知る担任が授業を受け持つことで、コミュニケーションが円滑になると考えています。

英語を英語のまま理解し、伝える力を養う

梶山先生 
 本校に赴任して11年目になります。赴任当時、英語の授業は4〜6年生だけが行い、週に1時間でした。言語習得はインプットが重要であると同時にアウトプットとのバランスが大切だと考えているため、週に1時間では足りないと感じていました。現在は、1、2年生が週に1時間、3、4年生が週に2時間、5、6年生が週に3時間、英語の授業を行っています。
 英語の授業では子どもたちが英語を英語のまま理解できることを目指しているため、英語を日本語には訳さず授業をしています。「ダイレクトメソッド」は、創立者である澤柳政太郎先生が100年以上前に輸入した英語の指導方法です。当時から外国人講師を招き、日本人の英語教師と一緒に授業を行っていました。今日に至るまで、少しずつ姿を変えながら受け継がれています。
 現在の授業を簡単に説明すると、例えば“APPLE”ならリンゴと日本語に訳して教えることはせず、視覚的要素などを加えながら“APPLE”が何かわかるような仕掛けを準備します。また、初めて英語に触れる児童に“Have a seat”と言っても伝わらないのですが、外国人講師と会話をしながらジェスチャーを見せると勘の良い子は席に座ります。席に座った子を褒めることで「座ること」を指示されていることに気付き、そして座ります。こういったことを1年生から積み重ねていくと、単語がフレーズに、フレーズが文に、文が文章として理解できるようになっていきます。外国人講師と日本人教師のティームティーチングで、つまずいている児童をその時々にフォローし合いながら授業をすすめています。
 
今井先生

 英語学習では、ストーリー性も大切にしています。例えば、自分がしたことを伝えるために過去形という文法を教えるだけではなかなかやる気になってくれません。そこで、外国人講師に日本の歴史上の人物を紹介するというゴールを示します。児童は外国人講師に伝えたいという思いと共に、誰のどんなことを紹介するかを熱心に話し合う姿が期待されます。紹介するには当然、過去形で話す必要が出てくるので、教科書で学習した文法事項を主体的に活用し、過去形を使った歴史上の人物を紹介するプレゼンテーションを行います。本校ではこのように、習得のためのゴールを設定する「プロジェクト型学習」をベースに授業を行っています。

中学校、高等学校の学びに繋げるために英検を採用

梶山先生
 成城学園ではワンキャンパスにある一貫校の強みが生かせるよう、「英語一貫教育プログラム」を実施しています。CEFR-J(英語能力の到達度指数)を基準に、幼稚園から高校まで学年別にCan-Doリスト(学習到達目標)を作成しています。
 成城学園中学校高等学校では以前から、学校を準会場にして英検を利用してきました。外部の試験を受け、客観的に学習レベルを確認することが目的です。高等学校では2年生で英検2級を取得、中学校では2年生で3級取得を目指しています。中学校と高等学校の学びへと繋げるために、初等学校では4年生で5級、卒業までに4級の取得相当の英語力を身につけることをCan-Doリストに入れています。初等学校の授業で英検対策を行うことはありませんが、授業のワークシートやペーパーテストでは単語の並び替え、高学年では長文など、英検の試験問題に近い内容を出題して、無理なく受験できる工夫をしています。

今井先生
 児童たちには、英検の合格、不合格にだけ目を向けるのではなく、自分の英語が今どれくらいのレベルかを捉えて欲しいと思っています。私が注目しているのは、英検の個別成績表に記載されている「CSEスコア」や「学習アドバイス」です。一人ひとりの弱点なども分かるので、成績表を返却する際には45分授業のほぼ全部を使って児童たちと振り返りを行い、今後の課題を確認していくように努めています。

未来の選択肢を増やすために、学び続けて欲しい

梶山先生
 成城学園では、「英語一貫教育プログラム」を通じて「本当に使える英語」の習得を目指しています。ですが、日本に住んでいると英語を話さなくても生活ができるので、英語学習の必要性を感じる機会が少ないかもしれません。児童から「なぜ英語を勉強するの?」という質問を受けることがよくあります。そんなときは必ず「将来、君たちができることの選択肢を増やすため」と答えています。日本語しか話せなければ、将来できないことが出てくるかもしれない。英語が話せれば、やりたいと思っていることに手が届くかもしれない。英語は、自分の選択肢を増やしてくれるコミュニケーションツールです。将来の夢のために役立ててほしいと願っています。

>「学校での英検活用」一覧はこちら

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