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2026.07.13 教育現場より 学校での英検活用

英検合格の先にある未来のために、「使える英語力」を身につける

【2024年度 カナダ大使賞受賞】
高知県立安芸中学校・高等学校
英語科 科長 岡村 先生
英語科 英検担当 池浦 先生

地域に根ざした、専門学科を擁する中高一貫校

 本校は高知県安芸市にある公立の中高一貫校です。中高一貫校ではありますが、高校からは普通科に加えて工業に関する学科「機械土木科(機械専攻・土木専攻)」と商業に関する学科「ビジネス科」が加わるため、高校から入学する生徒もいます。地域に根ざした学校で、地域と共に子どもたちを育てていくことを大事にしており、総合的な学習・探究の時間では地域に出て行って活動したり、地域の方のお話を聞いたりする機会も多くあります。目指す生徒像として「自己実現」「文武両道」「自主自立」「地域貢献」を掲げ、自然豊かな環境の中で生徒たちは部活動などの課外活動も含めて一人ひとりの目標に向かって主体的に学んでいます。

場面や状況を具体的に提示し、英語での発信に必然性をもたせる

 英語については、生徒数が少ない機械土木科を除き、中学3年生から習熟度別に分けた少人数制の授業を行なっています。英語科全体としては、自ら考えて伝える主体性の育成を重視し、4技能をバランスよく育てることを意識しつつ、生徒が英語で発信する活動をできるだけ多く取り入れるよう努めています。主体性を育むうえで大事なのが、英語で発信することに必然性をもたせることです。授業では、「何のために・誰に・何を発信するのか」という場面や状況を具体化し、生徒に提示するよう心がけています。また、語彙力強化のために、英語学習アプリを活用しています。点数を競い合うゲーム形式のもので、英語が苦手な生徒も前向きに取り組んでくれています。

 本校の英語教育の特色の一つが、中高一貫校ということもあり、ALTの人数が多いことです。特に中学校では、基本的に全クラスのすべての英語の授業にALTが入っており、時には1クラスに2人のALTが入ることもあります。ALTの先生とコミュニケーションをとる機会が多いことに加えて、ALTの間で交わされるリアルな英会話を耳にする機会も多く、生きた英語に触れる頻度は他校に比べると高いと思います。

 また、高校では、進学や就職といった生徒の一人ひとりの進路実現に対応できるような授業内容を意識し、それぞれの科によって工夫をしています。具体的には、大学進学希望者が多い普通科では、共通テストをはじめとした大学入試に対応できるような授業や試験を行なっています。一方、就職希望者が多い機械土木科やビジネス科では、英語を臆さずに話すメンタルや即座に英語で応答する瞬発力も含めて、英語を使う力を身につけることを大事にしています。例えば、海外からの技能実習生と同じ職場で働くこともあるでしょうし、海外のビジネス相手が来日した際にガイドを務めることもあるでしょう。そんなシーンを想定しながら、簡単な英語を確実に送受信する活動を授業の中に取り入れるようにしています。

英検を通して、自信をもって英語を伝える力、挑戦する力を育てたい

 英検については、年に1回は受けるよう推奨しており、年度初めに生徒に配付する「Can Doリスト」に学年ごとに目標にしてほしい級を明示しています。具体的には、中学3年生で英検3級、高校卒業までに英検2級を取得することを目標にしており、入学時から折に触れて英検に向けた声かけをし、ポスターの掲示やチラシの配布などもしています。新たにできた準2級プラスについては、2級に挑戦してもなかなか合格できない生徒には、2級へのステップとして受けてみたらどうかと声をかけています。

 英検に向けた対策としては、問題集の貸し出しや英作文の添削、面接練習などを個別に行なっています。英作文の添削については、最近は、添削アプリを使ってある程度書けるようになってから教員に見せにくる生徒が増えています。英検のライティングの得点が低い傾向にあり、指導の必要性を感じてきたものの、英作文の指導には時間と手間がかかり、生徒のニーズを満たしきれないという課題がありました。添削アプリを活用することで、生徒にとっては書く機会が増え、教員にとっては負担軽減にもなり、とても助かっています。面接練習については、ALTを交えた全英語教員で分担して行なっています。また、初めて受験する生徒には、英検のホームページで公開されている2次試験用のムービーを見せたりもしています。

 私たちとしては、英検に取り組むことを通して、自信をもって英語を伝える力、挑戦する力を育てたいと考えています。英検という目標に向かって努力し、合格することで、自信をつけてほしいという思いもあります。そのうえで生徒には、英検合格を目指すだけでなく、その先にある自分の未来のために使える英語力を身につける、という意識をもって英検に臨んでほしいと願っています。

批判的な視点をもって自分の意見を主張する力を育てたい

 今後に向けた課題としては、批判的な視点をもって自分の意見を主張する力を育てていきたいと考えています。本校には素直な生徒が多く、言われたことをそのまま受け止めすぎてしまうところがあると感じています。素直なのは良いことですが、相手の意見を尊重しつつ、「それってちょっと違うんじゃない?」と異を唱えることもできるようになってほしいのです。英語でのペアワーク、グループワークなどの活動を通して、相手に飲み込まれずにディスカッションする力を磨いていきたいと思います。  英語は生徒の未来の可能性を広げることのできる教科です。私たち教員もたゆまぬ努力を続け、全国の先生方と一緒に、より良い授業づくりができればいいなと思っています。

 

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